2023年7月31日月曜日

上を向いて歩こう

こんにちは。高等学校工業科主任の者です。最近、注目されている研究を共有したいと思います。

多くの方が通勤や通学中、休憩時間などにスマホを使用しています。その使用方法によっては健康への影響が心配されることが増えてきました。具体的には、スマホを見る際に首が前かがみになることで、背骨に最大約27キロの圧力がかかると言われています。これは長時間のスマホ利用による健康障害や生産性の低下につながる可能性があるとされています。

しかし、気になるのはスマホの使用だけではありません。実は、歩く際の姿勢についても興味深い研究結果が出てきています。上を向いて歩くと、人々の幸福度が高まるとのこと。上を向いて歩くことで、自分自身の心の持ちようや視野が変わり、前向きな気持ちになれるのかもしれません。

職場での仕事の行き詰まりや人間関係のトラブル、キャリアの進展に悩んでいる方々へのアドバイスとして、時折、スマホから目を離して、上を向きながら歩いてみることをおすすめします。その一瞬の変化が、新しい視点や気づきをもたらしてくれるかもしれません。

坂本 九 さんの「上を向いて歩こう」の歌詞が思い出されます。我が電気科の三年生は夏休み明けには就職・進学、将来に向けて、大きな一歩を踏み出します。「上を向いて」歩んでほしいと願います。

2023年7月30日日曜日

危機管理マニュアルの実効性と研修の質について

 常日頃から私たちのブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。

今日はいつも以上にまじめなお話をさせてください。

学校という閉じられた空間において、安全性は私たちの最優先課題として位置づけられています。文科省の最近の調査結果を踏まえ、危機管理マニュアルの存在意義、そしてその実効性について、さらに深く掘り下げてお話したいと思います。

先の調査では、危機管理マニュアルを未作成の学校が1.3%、不審者侵入の対策を持つ学校が95.9%、3段階のチェック体制を採用している学校が59.6%であることが明らかとなりました。これらの数字からも、マニュアルの存在自体が重要であることは言うまでもありません。

しかし、マニュアルの存在だけでは十分ではありません。その「マニュアル」が現場で正しく機能し、関係者全員が適切に行動を起こせる状態を作ることが求められます。そのために必要なのが、質の高い研修です。ただし、単なる研修では不十分で、その研修が当事者の心に響くもの、意識を持って取り組める内容である必要があります。

私たちの学校も、この点を非常に重視しており、研修の内容を充実させるための取り組みを強化しております。一つのマニュアルや研修だけでは完璧な安全は確保できませんが、それを基盤とし、関係者一人ひとりの意識の変革を促すことで、真の安全を追求していきたいと考えています。

最後に、安全のための取り組みは日々進化し続けるもの。私たちは常に最新の情報を取り入れ、工業高校としての教育の質と安全性を向上させてまいります。

2023年7月29日土曜日

新しい学びの扉を開く!〜興味関心を引き出すスキル習得の挑戦〜

私が高校教員として教壇に立つ中で、日々感じることは、生徒たちに知識を伝えるだけでなく、彼らの興味や関心を引き出すことの大切さです。そのため、私は常に興味関心を喚起するスキルを学び、それを授業に活かす方法を模索しています。

最近、YouTubeで特定の方のチャンネルにハマっていることは以前もこのブログで触れたかと思います。彼女の視点や言葉のチョイス、そして独自の分析にいつも引き込まれてしまいます。その中で、なんと彼女が新しい本を出版するという情報をキャッチし、私は教員としての成長のためにもポチりました。

彼女のYouTubeコンテンツは、視聴者の興味関心を引き出すテクニックが溢れています。そのスキルを学び、私の授業にも取り入れることができれば、生徒たちの学びが更に豊かになることでしょう。

教育の現場では、単に教科書の内容を伝えるだけでは不十分です。今の時代、情報はインターネットを通じて手軽に手に入る時代。教員として大切なのは、その情報にどのように興味を持ち、深く考えるかを生徒たちに伝えることです。この彼女の新しい本から、そのヒントや方法を学ぶことができると期待しています。

私がこの本を手にすることで得られる知識やスキルを、今後の授業で実践していくことを楽しみにしています。そして、生徒たちが新しい知識や技術に興味を持ち、自ら学びの主体となる姿を見ることができれば、これほど嬉しいことはありません。

最後に、私の新しい学びの挑戦に、このブログを通じて皆さんも参加してくださることを願っています。興味関心を引き出すスキルを習得し、一緒に教育の現場を更に魅力的なものにしていければと願います。

2023年7月28日金曜日

ドラマのような飽きさせない授業

 最近、ドラマのように眠気を吹き飛ばさせるような授業をするには、どうしたらいいのかということを考えます。私自身、学生時代に真に面白いと感じた授業が思い出せないのです。多くの授業は一方的な情報の伝達が主で、驚きや探求の喜びは少なかったように思います。しかし、今、私たちの学校では一つの変革を進めています。それはBYAD端末による授業の進化です。

本校が他校と一線を画するのは、生徒自身が自分のものとして所有しているiPadの活用です。このiPadは単なる端末ではありません。それは学習のツールとして、また、自分の学びをデザインする手段として生徒たちの手に渡されています。

このiPadを通じて、ドラマのような授業を目指す方法の一つとして、実際の現場や最新のニュースをリアルタイムで取り入れ、授業をリッチにすることが可能です。さらに、生徒たち自身が関心を持つトピックを探求し、発表や共有することで、授業が単なる受け身の学びから、主体的な学びへと変わっていきます。

さらに、教師と生徒のコミュニケーションもiPadを通じてより円滑に。生徒たちが疑問や興味を持った時、即座に質問やリサーチができる環境が整っています。このようなデジタルツールの活用によって、私たちの授業はよりダイナミックで、生徒の参加意識を高めるものへと変わってきています。

私が学生時代に欠けていたと感じる「面白さ」を、このiPadを活用することで再現し、さらにそれを超える授業を目指しています。私たち教育者は、時代と共に進化し続ける学びの方法を追求し、生徒たちに最高の学習体験を提供する責任があると感じています。

2023年7月27日木曜日

遊覧船、電動化への新しい一歩

皆さん、こんにちは。工業高校の主任として日々の生活の中で、工業技術の進歩や環境への配慮の動向に常に注目しています。今日は、そんな中で注目すべき情報を皆さんと共有したいと思います。

松江市の観光名所として多くの方に親しまれている堀川遊覧船が、新たな時代の幕を開けようとしています。船の動力を電気に変える「電動化」を目指しての実証実験が、来月から開始されるというニュースをご存知でしょうか?

この取り組みの背景には、大手自動車メーカー・ホンダが開発中の「電動推進機」が関わっています。これは、従来のガソリンエンジンの代わりに電気で動くモーターのことを指します。この技術を用いて、堀川遊覧船の電動化を進めるため、ホンダと松江市が手を組んだのです。

実際に試乗したアナウンサーによると、電動推進機は振動や音がなく、しかも排気ガスが出ないため匂いも感じられないとのこと。これは、観光客がより心地よく、自然を感じながらの遊覧を楽しむことができるということを意味しています。

また、松江市は環境負荷の低減にも取り組んでおり、2023年4月には環境省の「脱炭素先行地域」に選ばれました。これにより、2030年までに温室効果ガスの排出を「実質ゼロ」にするための活動が進められる予定です。

私たちも、日常生活や学校教育の中で、環境や持続可能性についての意識を高めていくことが重要だと感じています。技術の進化とともに、私たち一人一人の取り組みが環境改善につながると信じています。

クリーンエネルギーである電気を活用した新しい観光の形が、この地域に新しい風をもたらすことを期待しています。

本校電気科においても、環境に配慮できる、持続可能な社会に貢献ができる人材育成を目指し、これからも教育活動を行っていきます。

2023年7月26日水曜日

東京都港区、区立小中学校教職員にテレワークを導入

 最近、教育の現場でも働き方改革の動きが活発化してきています。特に、新型コロナウイルスの影響を受け、多くの企業や機関でテレワークが導入されてきたことを受け、今回、東京都港区が注目を集めています。

具体的には、東京都港区の区立小中学校の全教職員約780人を対象に、在宅勤務型テレワークを本格的に導入するとのこと。このテレワークでは、教職員の自宅を活用し、タブレット端末を使用しての授業準備、教材作成、授業計画の策定、オンライン会議、さらには校務資料の作成などが行えるようになります。ただし、個人情報を取り扱う業務は避けることが前提となっております。

このテレワークは1日または半日単位での実施となっており、教育現場におけるワークライフバランスの向上を図る取り組みとして位置づけられています。港区は、このような取り組みを通じて、教職員の働き方改革を進めており、生活と仕事の両立をより実現しやすくすることを目指しています。

我々工業高校の教職員としても、このような新しい働き方の導入には興味を持っています。生徒との関わりや学校教育の質を維持しつつ、働き方の選択肢を増やしていくことは、今後の教育の現場においても重要なテーマとなるでしょう。

今後も、新しい取り組みや教育に関する情報を皆さまにお伝えしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

2023年7月25日火曜日

はまっているYoutube

 みなさん、今日は全く完全なる私のどうでもいいブログです。

突然ですが、みなさん、「Youtube」って見ますか?

先日、あるYouTuberの紹介を目にしました。そのYouTuberは、ビジネスホテルに泊まることの魅力を伝えるチャンネルを運営しています。彼女の魅力は、ビジネスホテルの大浴場や朝食、そして手頃な宿泊費に注目し、これらの要素を丁寧に紹介している点にあります。

彼女は、独自の視点からビジネスホテルを紹介してきましたが、その道のりは必ずしも順風満帆ではありませんでした。彼女の考えやスタイルが模倣されることに対しての葛藤もあったようです。しかし、その中で彼女は16万人以上の登録者を獲得し、多くの人々からの支持を受けています。

特に注目すべきは、彼女が独身のアラサー女子であることを隠さず、それを卑下することなく、多様な年代の人々に向けて情報を発信している点です。これは、自分の立ち位置を理解し、その上で多くの人々に役立つ情報を提供しようとする姿勢が伝わってきます。

このYouTuberの話をここに書く理由は、彼女の姿勢から私たち教員が学ぶべきポイントがあるからです。それは自分のアイデンティティ(自分らしさ)を理解し、それを自信をもって表現すること、そして自分の経験や視点を他人に共有しようとする姿勢です。

教員として、私たちは生徒たちに知識を教えるだけでなく、自身がどのように考え、どのように行動するかを示す役割も果たしています。彼女のように、自身のアイデンティティを理解し、自信をもって表現することができれば、生徒たちにも自身を理解し、自分の考えを他人と共有する勇気を与えることができるでしょう。

学びは生涯にわたるもので、それは教室だけでなく日常生活の中からも得られます。今回のYouTuberの例は、私たちが学びを得る一つの具体的な例です。このような多角的な視点から学びを得ることは、我々が生徒たちに伝えたい教育の一環でもあります。

2023年7月24日月曜日

教育に対する新しい視点

先日、さいたま市前教育長の細田眞由美氏の記事を読みました。その中で、細田氏が教育の未来を考える上で重視するポイントを共有させていただきます。

細田氏は、教育現場において*1ブレストによるアイデアの出しや*2エバンジェリスト制度の導入など、新しい取り組みや仕組みづくりが非常に重要であると強調しています。これは、単に伝統的な教育方法に固執するのではなく、時代の変化や技術の進歩に合わせて、新しいアプローチや手法を取り入れることの大切さを示しています。

そして、彼女が特に注目するのは、AIやデジタル技術の活用に関する点です。多くの人がAIやデジタル技術を教育現場での効率化や革新の道具として考えがちですが、細田氏は違った視点を持っています。彼女は、これらの技術を活用するには、人間自身が良質なコミュニケーション力を持つことが必要だと説いています。これは、教育者や学生たちが、人と人との関わりを大切にし、相手の意見や考えを尊重する姿勢が求められることを示唆しています。

さらに、彼女は量的な働き方改革だけでなく、質的な働き方改革も求められているとの立場を取っています。これは、単に効率的に仕事を進めるだけでなく、その背後にある価値や意義を見つめ直し、より質の高い教育を提供するための改革が必要であるとの意見です。

私も常々から念頭に置いていることと、細田氏の言葉に非常に共感を覚えました。総合高校としての教育の質と、それを支える仕組みを常に見直し、時代に合わせた教育を提供していく必要があると感じています。これからも、細田氏のような先見の明を持った方々の意見を参考にしながら、より良い教育環境を目指して参ります。


*1 ブレストとは、ブレインストーミング(brainstorming)の略で、複数の参加者が自由にディスカッションを行い、アイデアをどんどん出していくことで、新しい考え方や解決策を出していく手法のことです。従来の会議などとは違って、既存概念や先入観にとらわれずに自由に発言することで、お互いの発想を利用して新たなアイデアを生み出すことができるという考えに基づくものです。ブレストの目的は、より多くのアイデアを出すことで、ブレスト中は参加者の発言に意見したり批判を行ったりしてはいけないとされています。

*2  IT業界では、技術的話題を社内外に分かりやすく説明・布教する使命を持つ「テクニカルエヴァンジェリスト」という職業も存在している。





 

2023年7月23日日曜日

言葉の選び方

 今日は言葉の選び方について思うこと。言葉一つで人とのコミュニケーションの質が変わること、それがどれほど重要かを、実際に工業の現場や学校の日常、部活動等で感じることも多いです。

特にネガティブな言葉の使い方は、相手に与える印象を悪くする可能性が高いです。例えば、「やる気が出ない」という単語を、「まだインスピレーションが湧いていない」や「デスクが散らかっている」を「アートフルな配置になっている」という表現に変えるだけで、全く異なる印象を持たせることができます。視点を変え、言葉を選ぶことで、より建設的なコミュニケーションが生まれることでしょう。ありとあらゆる物事には「表」「裏」の2面が必ずあります。普段のコミュニケーションにおいて、ネガティブなことをポジティブな言い方に置き換えるだけでコミュニケーションに深みや楽しさを演出することができます。

そして、ここで「ChatGPT」というツールを紹介したいと思います。このAI技術を用いれば、さまざまな表現や言葉の選び方を学ぶことができます。「ネガティブな表現」を「(変換したいエッセンス)」に言い換えてください、とプロンプトを投げかけ、何度も反復練習をする中で、より良い言葉の選び方や表現方法をストックしておくことが可能です。学校の課題や、将来の職場でのコミュニケーションに役立てることができるでしょう。

工業高校においては、技術だけでなく、人との関わりを大切にすることも重要です。言葉の選び方に少し気をつけるだけで、より良い人間関係や信頼関係を築く手助けとなります。みなさんも、日常の中での言葉の選び方に気を付け、より良いコミュニケーションを目指してみてはいかがでしょうか。

それでは、良い一日をお過ごしください。

2023年7月22日土曜日

優れた人が「モチベーション」に頼らない理由

 今日は「モチベーション」頼らずパフォーマンスを出す仕組みについて書きます。

日本の働き手のエンゲージメントが低いという問題が話題になる中、実は優秀だとされる社員でも、常にモチベーションを保つのは簡単ではないとされています。モチベーションとは、疲労するもの。私たちは日々、新しい技術や知識を学ぶ中で、その意欲を維持するのは容易なことではないと感じることもあるでしょう。

しかしここで一つ大切なことをお伝えしたいと思います。モチベーションは、自らが継続的に意志力をもって取り組むことで、安定させることができます。いわゆる「ルーティン」にしてしまうことです。私たちが学ぶ技術や知識は、社会で求められるスキルの一部。それを手に入れるための熱意や意欲は、継続的に維持する必要があります。

そこで、高いモチベーションを維持するためのコツをいくつか紹介します。

具体的な目標の設定:大きな目標だけでなく、小さな目標も設定しましょう。それにより、達成感を日常的に感じることができます。

報酬の設定:自らにご褒美を設定することで、努力した自分を褒めてあげましょう。

習慣化:毎日の習慣として学びを取り入れることで、無意識のうちに高いモチベーションを維持できるようになります。

最後に、私たちの学びの場である工業高校は、これからの時代を切り拓く技術者を育てる重要な場所です。皆さん一人一人が、健やかで、継続的に学びを深めることで、明るい未来を築いていくことを確信しています。

夏休みが始まりました。今日も一日、学びの中での小さな成功をお祈りしています。

2023年7月21日金曜日

不登校支援の指針に関する周知問題について

 皆様、こんにちは。工業科主任として、学校教育の日々の動向や最新情報をしっかりとキャッチし、皆様にも共有させていただいております。

最近、総務省が行った調査によると、国が提供している不登校支援の指針について、学校は十分に認識していますが、保護者の方々にはまだ十分に伝わっていないという結果が出ています。私たち学校側が提供する情報と、実際に保護者の方々が受け取る情報にはギャップが存在することが確認されました。

この結果を受けて、総務省は文科省に対して、保護者にも指針をしっかりと周知するように通知しています。不登校の子どもたちやその家族にとって、この指針は大変有意義なものです。保護者の皆様にも、正確で詳細な情報を提供することは、学校としての大切な責務と考えております。

また、調査からは民間施設に関する情報提供もまだ不十分であるという点も指摘されています。子どもたちの支援のためには、学校だけでなく、多様な施設や組織との連携も不可欠です。

さて、私は教員として20年間勤めさせていただいております。私が初任の頃から比較しても、生徒数の減少はもちろんのこと、学校のスタイルも大きく様変わりしようとしています。しかし、私はどんな時代においても、学校(教育)の重要性は普遍的なものだと思います。本校工業科の生徒は8割近くが卒業後就職します。義務養育を受けた僅か3年後に社会に解き放たれます。ということは、高校3年間で社会にでる準備をしなければなりません。今回のテーマを否定するわけではありませんが、社会にでて、他者とコミュニケーションを取りながら自己実現、社会貢献していくためには学校でクラスメートや部活動の仲間、そして我々教職員たちとのコミュニケーションをとおして身につけていくほかないと私は考えます。勉強ができる、テストで点が取れるだけの学校でなく、社会にでるために必要なスキルやリテラシーが学べる学校が中学生やその保護者のみなさまから選ばれると私は確信しています。

このような最新の情報や取り組みについて、今後もブログを通じてお伝えしていく予定です。引き続き、皆様のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

ChatGPTを活用した自動回答システムの試験運用を開始

 昨日、興味深いニュースが流れてきました。それは、北九州市教育委員会が、ChatGPTを利用した新たな自動回答システムの試験運用を始めるというものです。この試みは、学校ICTに関する質問を特化しており、教員の皆様の日常業務の負担を少しでも軽減することを目的としています。

現場の教員の皆様が必要とする情報に素早く、そして的確にアクセスできるよう、ChatGPTの技術を連携させることで、回答の幅を広げる試みが進められています。このシステムが実際の教育現場でどのように役立つのか、非常に楽しみです。

試験運用は来年3月までの期間となっており、この間にシステムの改善点や、さらなる効果的な利用方法について洗い出す作業が行われる予定です。更に、将来的には、教育委員会が提供するあらゆる情報をこのシステムで網羅するという大変野心的な構想も明らかにされました。

他県では、このようにテクノロジーを活用した業務改善が推し進めるられています。

今後の教育現場は、こうした技術を活用して、より進化し、そしてより効果的な情報提供やサポートができるようになることが少子化を迎えるうえでは重要です。本校でも、ICTを授業のみならず、校務においても活用し、未来に備えています。

皆様、これからも総合高校の教育や技術の進化にご注目いただけると幸いです。今後も最新の情報をお伝えしてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2023年7月19日水曜日

未来のエネルギー源への新たな一歩

 湿気電気という言葉を聞いたことがありますか?これは、空気中の湿気を利用して電気を発生させるという革新的な構想です。近年、このアイディアが再び科学界の注目を集めています。今日は、その未来のエネルギー源について話します。

20世紀初頭、セルビア人発明家のニコラ・テスラは、私たちの周りにある空気から無限に好きなだけ電気を取り出せる世界を描きました。今の電気自動車のイーロン・マスク率いるテスラ社もここから名前がとられています。常に野心的だったテスラは構想の規模も大きく、地上と高層大気を巨大な電池の両端であるかのように見立てました。

無論、彼の夢は実現しませんでした。

マサチューセッツ大学の研究チームが、この分野で驚くべき進展を遂げました。彼らは、空気中の湿気から連続的な電流を発生させることに成功したのです。具体的には、極細チューブを大量に並べたデバイスを開発。このデバイスは、空気中の水分子がぶつかるたびに微量の電荷を蓄積します。そして、これが繰り返されることで電荷の不均衡が生じ、電気が発生するのです。

この発見は、教授が空気中の湿度を測る単純なセンサーを作るつもりでした。しかし、担当していた学生がたまたまコンセントを差し忘れたことによるものでした。

この技術の最大の魅力は、家庭の電力を賄うことができる点にあります。つまり、将来的には、このデバイスを利用して、家庭の電気を湿気から供給することが可能になるかもしれません。

しかし、この技術を大量生産化するにはまだ多くの課題が残っています。投資の確保、必要な材料の入手、そして材料の加工設備の整備など、多くのステップを踏む必要があります。

とはいえ、湿気電気の可能性は無限大です。環境に優しく、持続可能なエネルギー源としての役割を果たすことが期待されています。今後の研究の進展に目が離せませんね。

2023年7月18日火曜日

働き方改革から働きがい改革へ

 今日は、働きがいによる働き方の変容について述べます。

働き方改革という言葉を聞いて、どのようなイメージを思い浮かべますか? これまで、この働き方改革は、多くの企業で過労死や労働時間の問題、生産性向上などの課題を解決するために推進されてきました。しかし、その焦点は従来の「働き方」の改革から、「働きがい」の改革へとシフトしつつあります。

働き方改革は、長時間労働の是正やワークライフバランスの実現を目指す一方で、企業の生産性を向上させることも目指しています。これにはテレワークの導入や、働きやすい環境づくりなどが含まれます。学校現場ではあまり進んでいませんが・・・しかし、これらの取り組みだけでは、教職員が真に満足感を感じる職場環境を作り出すことは難しいという意見もあります。

ここで問われるべきなのは、「働きがい」とは何か、そしてそれをいかに実現するかという問いです。働きがいを感じるためには、ただ働くだけではなく、働きがいを感じられる環境とは何か、ということに焦点を当てる必要があります。それは自分の仕事に対する情熱を持つこと、個々のスキルを活かせる仕事に就くこと、成長と発展の機会を持つことなど、多くの要素を含んでいます。教員はブラックだ、忙しい、等々言われています。それは否めません。しかし、生徒数現象にともなう教職員数の現象は間違いなく訪れます。そのまえに、働きがいをもち、本来やるべき仕事を精査し、精査された仕事をICTを活用し生産性を上げる取組みをいち早くできた学校が生き残れると確信しています。

具体的な取り組みとしては、紙ベースで行っていた校務のデジタル化、これにはさまざまな恩恵があります。特に、情報のスピーディーな共有化、会議室に集まっての会議でなく、オンラインで、忌憚のない意見を出し合いながらの本来あるべき会議。ドキュメントを同時進行で作り上げることによる時間短縮、そして当事者意識の醸成・・・上げればキリがありません。

やるべきことが時間内にでき、スキルが蓄積できているという実感に伴う、自己有用感。働き方改革から働きがい改革への移行は、働く人々の満足度を向上させ、生産性向上にも寄与すると考えられます。この働きがい改革は、学校全体の幸福感を高める可能性を秘めています。自己有用感に満ち溢れ、本来向かうべき生徒たちとの時間が生み出せる環境、その仕組を夏休みを活用し、これまで以上に作り上げていきたいと思います。

2023年7月17日月曜日

「学校教育:単なる知識の集積場所以上の役割」

 こんにちは、皆さん。

本日の新聞で、21年度の香川県の小中学生の不登校率が前年度の1.33倍に上昇し、その記録が最多となったことを知りました。原因は「無気力・不安」とのこと。コロナ等々、さまざまな要因があるとは思いますが、新聞でその記事を読んだとき、私は大変驚きました。さらに、高校生でも学校への興味や関心を示さない生徒が増えていると感じます。私たち大人が子供たちに提供する教育について深く考える必要性を痛感しました。

学校はただの知識の供給源ではなく、それ以上のものでなければなりません。私たちが子供たちに期待しているのは、ただ学校で教科書から得た知識を覚えるだけではありません。それは、学校でしか得られない経験とスキルを育むことです。そしてそれらは、試験の結果や学校の成績では測れない価値を持っています。

例えば、学校は人間関係の構築、問題解決スキルの獲得、チームワークの練習、自己表現の場所など、多くの非認知的スキルを提供します。これらのスキルは、生徒たちが社会に出て成功するために必要不可欠なものです。そしてこれらのスキルを育てるためには、学校という環境が最適であり、それを可能にするのは私たち教育者の役割です。

しかし、その役割を果たすためには、私たちが教育の目的を見直し、それに対応した教育方法を採用する必要があります。教科書の内容をただ暗記させるのではなく、学生が情報を理解し、解釈し、批評し、創造的に利用する能力を育てることが求められます。これが、現代の教育が持つべき役割であり、私たちの使命です。

香川県の不登校率の問題を見て、私たちは教育改革の必要性を再認識しました。学生たちが学校に興味を持ち、学ぶ喜びを感じられるような環境を作ることが、私たち教育者に求められています。そしてそれは、学校がただ知識を伝えるだけでなく、学生たちが人生で成功するための全体的なスキルを獲得する場所であるべきだという私たちの信念を強く確認します。

私たちの教育改革の取り組みについての詳細は、今後のブログ記事で報告していきます。私たちは一緒に、学校が学生たちにとって価値ある経験と学習の場であることを確実にするための旅を始めます。

これからも、みなさまの支援と理解をお願いします。

2023年7月16日日曜日

『暑さによるレール曲がり:インフラの重要性と次世代の社会人育成』

 本日の新聞記事から、日々の生活を支えるインフラの重要性を改めて認識しました。夏の猛暑で線路のレールが曲がり、多くの人々の生活に影響を与えました。この問題は、それが一見単純な物理現象であると同時に、我々がどのように社会のインフラを管理、維持し、そしてそれに対する教育を行っていくかという問題でもあります。

線路のレールが曲がるという現象は、熱膨張という物理的な原理によるものです。これは、物質が温度上昇により体積を増すという現象であり、私たちの日常生活の中でも広く見られます。しかし、これが大規模なインフラに影響を及ぼすと、結果として交通の遅延やサービスの中断など、広範囲にわたる影響を生む可能性があります。

このような事態を防ぐためには、インフラの維持・改善が欠かせません。レールの材質を熱に強いものにする、または熱対策として冷却システムを導入するなど、熱対策はさまざまな形で行われています。それには、エンジニア、技術者、労働者など、さまざまな専門家の絶え間ない努力が必要となります。

そして、こうした専門家を育成することもまた重要です。我々は高等学校の工業電気科の教員として、インフラの維持・改善に必要な知識と技術を学生に教える役割を果たしています。我々が指導する学生たちが、将来、このような社会的課題を解決するための技術者となることを願っています。

暑さでレールが曲がるという事態は、我々がどのように社会のインフラを整備し、それに対する教育を行っていくかという問題を浮き彫りにします。私たちは、このような問題を解決するための専門家を育成する教育者としての使命感を感じています。次世代を育て、インフラの維持・改善に貢献する社会人として活躍するための知識と技術を提供することが、我々の役割であり、使命であると改めて認識しました。

このような状況を通じて、インフラを支えるための重要な業務に携わる専門家たちの労働に感謝し、それを支える教育の価値を高く評価します。それは私たちが生きる社会を形成し、持続可能な未来を築くための基盤であり、これからも私たちはそれを目指して教育を進めていきます。

2023年7月15日土曜日

新型コロナウイルス以降の就職状況と学生への教育改善の可能性

 みなさん、こんにちは。高等学校工業科主任の私から、就職活動についてお伝えします。

先日、新たな調査報告が発表され、その内容について考察してみたいと思います。2022年度の高校生と特別支援学校高等部の卒業生を対象とした調査結果によれば、新型コロナウイルスの感染拡大前に就職活動が行われた19年度以来、3年ぶりに就職内定率が上昇したという結果が出ています。

内定率の上昇が見られた理由として、飲食や観光、宿泊といったサービス業を中心に企業が積極採用に転じたためだとされています。この結果は、経済状況が若者たちの就職活動に大きな影響を及ぼしていることを示しています。

しかし、この調査結果を受けて、一方で和歌山県では異なる課題が浮かび上がりました。長年続いてきた「1人1社制」のルールを緩和した結果、内定が得られなかった生徒が他県より多い傾向にあるとの報告がありました。そのため、両団体は「『1人1社制』は維持すべき」との意見を出しています。

ここで、『1人1社制』について、述べます。私の知る限り、県内の高校において、複数応募は認められていません。9/15の就職活動解禁時に受験できる企業は1社のみです。そして、その企業から内定を受けると、必ず入社することとなります。この『1人1社制』を解禁すべきという議論があるのは事実です。大学生のように、複数応募、そして内定辞退も認める、というものです。今年の求人においても、今までは高校生求人を募集してこなかった企業から求人が来るなど、人材不足が露呈しています。

この問題は、今後の教育改革に対する重要な示唆を与えています。これまでは、学校長推薦のもと、企業が学校のブランドを信頼し、採用に至っていました。しかしながら和歌山県のような事例においては、おそらく情報があふれる世界で自己判断を行い、自身のキャリアパスを築く力が求められたのだと思います。教員として、私たちは学生たちが自己の目標に向けて最適な道筋を見つけられるよう支援する役割が求められます。

私たちはここで、自己アップデートと学校が本来育成すべき人間力の育成を促す教育体制へと進化するべきだと確信しています。教員の役割は、生徒一人ひとりのキャリア形成に寄り添うコーチとなる必要があります。3年間の学校生活において、自身のキャリアについて考え、さまざまな経験を通してビジョンを確率していける。そのような教育活動を行っていきます。

そのためには、私たちは進化し続ける教員でなければならないと感じています。学生のため、そして学校教育の存在価値を守るために、私たちは日々新たな挑戦をし続けるべきなのです。

「先生は忙しい」、世間で言われていますが、そんなことは分かって教員になっています。生徒たちの成長を支援し、教育の進化に取り組む姿勢を貫きます。

2023年7月14日金曜日

小学生の自由研究を支援するAI、思考力の鍛錬に影響は?

 皆さん、こんにちは。私たちが育てる次世代を育てるために、様々な新しいテクノロジーが次々と誕生しています。最近、私が目を通した情報の中でも特に興味深かったのは、「自由研究お助けAI」という、小学生向けに特化した生成AIの開発です。

このAIキャラクターは、夏休みの自由研究のアイデアやテーマ探しを子どもたちに対してナビゲートします。このような技術の導入について、肯定的な意見が約6割を占めていました。AIの活用を通じて、子どもたちが研究のアイデアを出す手助けをするという新しい取り組みは、多くの人々にとって魅力的であると感じられるでしょう。

しかしながら、全てが順風満帆なわけではありません。否定的な意見も約3割と、一部からは子どもたちの思考力の低下を懸念する声も上がっています。このAIが提供する情報は200文字程度に制限が設けられ、小学生の利用に適した設計になっていますが、子どもたち自身の思考力を阻害する可能性もあるという議論もあります。

私たち教員は、このような新たな教育ツールの活用について、どのように考え、どのように対応すべきかを深く考える必要があります。子どもたちが情報を収集し、アイデアを出す能力を鍛える一方で、AIに頼りすぎずに自己の思考力を養うバランスが重要になるでしょう。

ここからは私の個人としての意見として、
20年以上、教員をやっていて感じること。自分自身を棚に上げて話をしますが、思考停止に陥る生徒が多くなってきたように感じます。もちろん、「昔、こんなに深く考えられる生徒いたかな・・・?!」と思わせてくれる生徒も中にはいますが、絶対数として少なくなってきています。こうなってくると、大人として考えるのは、「そんななか、生成AIに頼ると、ますます思考停止になるじゃない!」と考えがちですが、私はそうは思いません。私自身、生成AIを活用した授業展開、構成を考える取組みを通して、より深く、そして生徒がわかりやすい授業ができていると自負しています。むしろ、以前まで、教科書をなぞらえるだけ、教科書の演習問題のみ正解できるような指導をしていました。そんな教育でこれからの社会を支えていく社会人を育成できるのでしょうか?!私は、もっと生徒を信じ、そして正しくテクノロジーを活用できる社会人を育成できる人材を輩出する学校のほうが、魅力的な学校だと考えます。

これからも、教育現場でのAIの活用とそれに伴う問題について追求し続けます。これからの学校教育は、テクノロジーの進化と共に、生徒と共に進化し続ける教員が必要となってきています。そして、私たち教員はそれに応えるべく、自らも学び、成長し続けることが求められています。

次回も、皆さんと一緒に教育とテクノロジーの未来を考えていきたいと思います。ありがとうございました。

2023年7月13日木曜日

地域の力を借りた学校運営の新たな可能性について

 こんにちは、今回は、東京都八王子市立由井第一小学校の取り組みを紹介し、そのことについて少し話をさせてください。それは何かというと、地域のボランティアスタッフが主導となって行っている、早朝の校庭開放活動です。毎朝、午前7時45分から8時15分の30分間、児童たちに校庭が開放されています。

この取り組みの素晴らしい点は、なんといっても児童の登校時刻の前倒し問題を解決していることです。また、その一方で教員の負担軽減にも一役買っています。

具体的には、ボランティアスタッフが早朝の校庭開放を管理してくれることで、教員がその時間帯にかける負担が減少し、それぞれの専門分野への専念や、子どもたちへの更なる教育へと時間を使うことができます。

また、ボランティアスタッフに対する感謝の気持ちを形にするため、市から謝礼が支払われています。さらに、万が一の事態に備えて、全員が保険に加入しています。

何よりも素晴らしいのは、このような地域との連携が取れる風土が根付いていることです。地域の方々と学校が協力し合い、子どもたちのために力を合わせることができるこの環境こそが、由井第一小学校の大きな魅力となっています。

以前、義父から、昔、近隣の中学校の部活動の活性化を願い、地元貢献を考え、地元の大人たちが部活動の支援を申し出たが、うまくいかなかったという話を聞きました。我々は、一人では何もできないという大前提を理解すべきです。その時の状況はわからないので無責任な発言はできませんが、外部の方々とともに未来の子どもたちのためにできることは思いっきりやるべきです。少なくとも、できない理由を考えるのではなく、できる方策をみんなで考えていくべきです。

教育現場は常に変化し、新しい試みが求められています。その中で、我々は自分たちだけで全てを解決しようとするのではなく、地域の力を借りて、学校運営の新たな可能性を広げるべきです。

この取り組みは、教育における地域との連携のあり方を示してくれる一例であり、私たち高等学校でも参考にすべき事例だと思います。教育現場で働く者として、こういった取り組みに感銘を受け、私たち自身も地域との連携をさらに深めていけるよう努めて参ります。

これからも教育に対する思いを胸に、一人ひとりの生徒にとって最善の教育環境を提供できるように、日々の業務に励んで参ります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

2023年7月12日水曜日

夏休みの体験活動、全ての子どもたちに

 皆さん、こんにちは。もうすぐ、楽しみな夏休みが訪れます。

今日は、その夏休みにおけるNPO法人の、「#夏休み格差をなくそうプロジェクト」を立ち上げた件について話します。このプロジェクトは、ひとり親家庭や経済的に困窮している家庭の子どもたちに、夏休み中の体験活動や遊びの機会を提供するためのものです。具体的には、アソビューなどの予約サイトと連携して、1000世帯に対して予約サイトで使用できるチケットを提供します。さらに、企業がこの活動に参加し、体験活動の機会を提供します。

このプロジェクトには、フローレンスが1000万円を目標に寄付を募るという側面もあります。これは、全ての子どもたちが平等に夏の体験活動に参加できるようにするための取り組みです。

教育経済学の観点から見ると、子どもの「体験格差」の問題は深刻な課題であり、このプロジェクトはその解決に一石を投じるものと言えます。この観点から、慶應義塾大学教授である中室牧子氏もプロジェクトの開始に出席し、期待を寄せました。

教育者として、私たちはこのようなプロジェクトを強く支持します。子どもたちが自分たちの体験を通じて学ぶことは、単に教科書から知識を得るだけでは得られない貴重な経験です。特に、多様な環境から来る子どもたちが共に学び、互いに理解を深めることは、社会全体の成長にもつながります。

「時間」は全員に与えられている平等なもの。その「時間」をどう活用していくか、夏休みはそれを実践できる大きな機会だと私は考えます。ゲーム中心の生産性の低いものでなく、夏休みだからこそできる体験活動を行ってほしいと思います。

学校は、大きく変わろうとしてます。いえ、大きく変わっていかなければならないと思っています。AIが進化する現代、知識をインプットする作業はもはやAIに任せる時代。我々は、さまざまな体験活動を通して、それらから得た知見をAIを活用しながら実践していく。AI共存型社会であるべき。本校本学科(工業系学科)のように8割生徒が高校卒業後、就職して社会にでていくような環境では、まさに体験型学習を多く取り入れたカリキュラムが必要です。実際、本学科が行う実習においても、プロジェクト活動を行い、リーダーの育成、協働で学ぶ試みを行っています。

中学生のみなさん、本校は7月末に1日体験を実施します。また、夏休み明けには、文化祭で学習活動の成果を展示等で表現します。ぜひ、お越しください。

2023年7月11日火曜日

ChatGPT、なぜ止める 新たな学びのスタイル必要

先日、教育委員会主催のICT研修会に参加後、ある記事を拝見しました。「子どもたちが自由にChatGPTなどの生成AIを活用すべき」と主張されている内容でした。研修とは正反対のものであり、その主張は、子どもたちの学びを制限する大人たちへの疑念から出ています。そしてその中で、子どもたちは自分自身でAIをどう活用するかを判断する力が求められていると述べられていました。私はその主張に完全アグリーです。

こうした意見を目にすると、私たち教員としてはどのような対応をとるべきか、改めて考えさせられます。

まず大切なことは、子どもたちにとってのAIの活用方法を全く制限することは、彼らの学びを阻害する恐れがある、という点です。新しい技術や情報に触れることは、子どもたちにとって、創造力を育て、新しい視点を持つ機会を提供します。

しかし、一方で全く制限なくAIを活用させることが最良とは言えません。子どもたちはまだ世界を理解する力、判断力が成熟していないため、自由すぎる活用は逆に危険をはらんでいる可能性もあります。そこで重要となるのが、AIをどのように活用するかを自己判断できる「力」の育成です。

この「力」は、単に情報を摂取するだけではなく、その情報が正確かどうかを見極め、有用な情報をどのように活用するかを理解し、判断する能力を指します。これは、現代社会で子どもたちが身につけるべき重要なスキルの一つです。

教員として私たちは、単に知識を教えるだけでなく、このような自己判断の力を育むためのサポートをするべきです。子どもたちが自主的に学び、自分で考え、自分で行動できるようになるためには、指導者としての私たち自身が進化し続けることが求められています。

それはつまり、知識を教える「ティーチャー」から、子どもたちが自身で学びを深められるように支える「コーチャー」へと、私たち教員の役割が変わっていくべきだということです。

子どもたちが自分で情報を見極め、適切に活用する力を身に付けられるよう、引き続きサポートして参ります。これからも工業高校としての使命を全うし、一人一人の生徒が自主的な学びを経験できるように努めてまいります。引き続きご支援のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。


2023年7月10日月曜日

遊びと学びが一体となったプログラミング教育とその可能性

 


今日は、埼玉県春日部共栄中学校で行われた新たな取り組みについてお話ししたいと思います。そこでは「CodeCombat」という、プログラミングと英語学習を一体化させた教材が導入され、その結果が注目を浴びています。

「CodeCombat」は、RPG(ロールプレイングゲーム)の形式を取り入れたプログラミング学習ツールであり、生徒たちはゲームをプレイしながら、プログラムの試行錯誤を通じて学んでいます。それだけでなく、この教材は英語の学習にも一役買っています。つまり、楽しみながらプログラミングと英語のスキルを同時に伸ばすことが可能なのです。

この教材は世界各地の3万校以上の学校で導入されており、その中には私たちのような工業科の学校も含まれています。そして、このプラットフォームを通じて、生徒たちはコンピューターサイエンス、ゲーム開発、ウェブ開発、AIといった様々なテーマを学んでいます。

これは教育の新たな可能性を示しています。楽しみながら学ぶことは、情熱やモチベーションを引き出し、それが生徒たちの持続的な学習へと繋がります。そして、これらのスキルは工業科の教育にとっても重要で、さらなる技術の進歩とともに、これからも更なるニーズが生まれるでしょう。

教員として、私たちは生徒の学びに寄り添い、適切なツールを提供していく必要があります。そして、それが生徒たちが自ら情報を調べ、ファクトチェックを行い、新しい知識を得る力を養う手助けとなることでしょう。そして私たち教員は、これまでの一方的な教え手から、生徒と一緒に学び、共に進化していくコーチへと変わるべきです。

「CodeCombat」のような教材を通じて、我々は新たな教育のあり方について考えさせられます。そして、それは私たちの役割が、単に知識を教えるだけでなく、生徒が自分で学び続けるための環境を提供することにあるという認識を深める機会となります。

これからも、新しい教育の取り組みとそれに対する私たちの役割について探求し、共有していきたいと思います。

2023年7月6日木曜日

教育現場における著作権法 - 知識と理解が求められる現代

 


今日は、学校教育と著作権法との密接な関わりについて考えてみたいと思います。

「市販の問題集や参考書から演習問題や解説、コラムをコピーする」という行為は、一見すると教育の一環として無害に見えます。しかし、これは「複製権」の侵害が問題になり得る行為であり、私たち教員はその深刻性を認識しています。

特に、「学校その他の教育機関における複製等」に該当するかどうかは、立場や状況によって異なるという曖昧さがあります。法規範におけるこのような不確定性は、私たち教員にとって、一筋縄ではいかない課題を提示します。

さらに深刻な問題として、生徒たちが模倣した作品を私たち教員が学校ホームページやSNSで発表する場合には、「複製権」や「翻案権」の侵害に当たる可能性があることです。つまり、教育現場でのこのような行為が、実は法的な問題を引き起こす可能性があるということです。

したがって、私たち教員は、著作権法の例外規定の要件を吟味し、それを適切に利用することが求められています。同時に、学校組織としてはルールの明確化とその周知が不可欠です。これらは、私たちが生徒たちに適切な教育を提供し、法的な問題を防ぐための重要なステップです。

私たち教員は、知識を教えるだけではなく、学校という組織が持つ複雑な要素を理解し、適切に対応することが求められています。これは、私たちがただ教える者ではなく、学び続ける者であることを示しています。

教育の現場で、法的な側面を理解し適切に対処することは、時には難しいかもしれませんが、それは私たちが取り組むべき重要な課題です。私たちはこれからも、皆さんが安全で実りある教育を受けられるように、そして私たち自身が法的に適切な方法で教育を提供できるように、努力を続けます。

これからも、皆さんと共に学び、成長し続けることを楽しみにしています。ありがとうございました。

2023年7月5日水曜日

AIと探究学習 - 革新的な取り組みから見る未来の教育

 


今回は、最近の教育ニュースで注目を集めている、探究学習とAIの結びつきについてお話ししたいと思います。


教育の現場では、探究心を刺激する新たなツールとしてAIの活用が進んでいます。その最前線で素晴らしい取り組みを行っているのが、東京都東久留米市にある自由学園女子部・男子部の中等科・高等科です。


彼らの試みは、生成AIを探究学習に活用するというもの。まずは生成AIの仕組みとそれを使用する際の注意点について学ぶことからスタートしました。その後、生成AIの一つである「Perplexity AI」を実際に使い、出力された情報が真偽どうかを自ら確認しました。


この経験が学生たちにどのような影響を与えたかというと、それは「探究学習への意欲の喚起」でした。自分でAIを操作し、出力された情報を分析する経験が、学生たちの探求心を刺激したのです。その結果として、「生成AIは教育の俎上に載せるべきだ」との強い意見が多くの学生から寄せられました。


この事例は、探究学習とAIが組み合わさることで、学生たちの学びにどのようなポジティブな影響を与えるかを具体的に示しています。我々教育者にとって、生徒たちが自発的に学びたいと思う環境を整備することは何よりの目標であり、その実現のためにAIというツールが活用できることは大変興奮することです。


それでは、これからも我々教育者は、学生たちが主体的に学び、成長できる環境を提供するために、AIといった最新の技術をどのように活用できるかを探求していきましょう。


皆さま、今回もお読みいただき、誠にありがとうございました。

2023年7月4日火曜日

「一人一人に合わせた支援の大切さ: 永岡文科相の学校視察から」


 みなさん、こんにちは。工業科の主任です。今日は、永岡文科相が先日行った学校視察の内容についてお伝えしたいと思います。

永岡文科相は、埼玉県戸田市にある一つの小学校を訪れました。この訪問の目的は、学校生活に不安や困難を感じている児童を支援するための取り組みを直接見ることでした。小学校では、児童が学校生活で直面する問題に対応するための校内サポートルームを設けています。

また、ここで特に興味深い取り組みとして、認定NPO法人カタリバと提携した「メタバース登校」があります。これは、現実世界とデジタル空間をつなぐ新たな取り組みで、学習環境の新しい可能性を探求しているのです。

これらの視察を通じて、永岡文科相は一人一人に合った支援が非常に効果的であることを認識しました。そして、その感想をもとに、同様の支援体制を全国の学校に広めたいという気持ちを公に表しました。

私たち工業高校の教育現場でも、この考え方は大変重要です。各生徒が抱える問題は一人ひとり異なりますから、一人一人に合わせたサポートが求められています。私たちは知識を伝えるだけでなく、生徒一人一人のニーズに対応できる「コーチャー」となるべきです。

そして、今日も、生徒たちのために学び続ける私たち教員の存在価値が、ますます大切になっていくことを感じます。みなさんも、身の周りの人々への思いやりやサポートを忘れず、一緒に成長し続けましょう。

AIの活用による教育現場の進化への期待と課題


 今日は、最近公表された文科省のガイドラインについて、一緒に考えてみたいと思います。

先日、文部科学省が教育現場における生成AIの活用に関する暫定的なガイドラインを公表しました。これにより、私たち教員がAIを教育現場でどのように活用していくべきか、具体的な指針が示されました。特に注目すべきは、児童生徒のAI利用についてと、教員のAI利用についての二つの視点です。

まず、児童生徒のAI利用については、ガイドラインでは限定的な利用から始めることが提案されています。そして一部の学校でパイロット的な取り組みを通じて、その成果や課題をじっくりと検証することが求められています。つまり、AIを教育に取り入れることによる新たな可能性を追求する一方で、その適切な使用方法や効果を確認するための段階的なアプローチが示されているのです。

一方、教員のAI利用については、生成AIの校務での活用に向けた実証研究を進めることが推奨されています。これは、私たち教員がAIを使って教育現場の運営を改善し、また、より質の高い教育を提供するための支援を得ることを意味します。

もちろん、このAIの活用には慎重さが求められます。特に、個人情報の保護や著作権保護に関する点については、ガイドラインでも重要な注意が促されています。

以上のことから、私たち教育者はAIの活用に対して積極的に取り組むべきだと感じています。ただし、その過程で出てくる様々な課題に対しても、しっかりと向き合う姿勢が求められます。この新しいチャレンジによって、私たちは一体どのような教育現場を創り上げることができるのでしょうか。その可能性を追求するのが、私たち教育者の大切な使命です。

皆さんも、このような新たな教育の形について、ぜひ一緒に考えてみてください。そして、新たな教育の形が学生たちにとって、どのような影響を及ぼすかを考えてみてください。今後の教育現場の発展に、皆さんの意見や感想が大いに寄与することを確信しています。

これからも、教育の現場で起こる動きや、その影響について、皆さんと共に考え、共有していきたいと思います。ありがとうございました。

2023年7月3日月曜日

「メタバースと教育の新しい可能性:東京大学のオンライン講座が好評」

 


皆様、こんにちは。今日は、最近注目されているトピックについてお話したいと思います。

なんと、東京大学のメタバース工学部が、中高生や社会人を対象としたオンライン講座を展開し、その反響が大きいようなのです。我々教育者にとって、大変興味深い試みだと感じています。

先日、東京大学のメタバース工学部が中高生や社会人を対象にオンライン講座を開催し、これが大変好評であるとのニュースが耳に飛び込んできました。これは私たち教育者にとって、非常に興味深い情報です。

ジュニア講座には、驚くべきことに、多数の女子中高生が参加し、科学技術への興味を持つ若者たちの存在を感じさせてくれます。さらに、リスキリング講座には、ソニーや丸井、リクルートなどの大企業から多数の社員が参加し、新しい学びの可能性を拓く活力を示しています。

これらの事例は、教育がメタバース、つまり仮想空間へ広がりつつあることを示しています。これにより、学習者は自分のペースで学ぶことができ、場所や時間にとらわれずに、興味や必要に応じた知識を得ることが可能になります。

東京大学の工学部では、さらに大学院で進学する他研究科の教員や退職教員の協力も検討しているようですが、教員の忙しさが課題となっています。これは教育現場全体で共通する課題であり、これから解決を試みていくべき課題でしょう。

このような取り組みを私たち工業科の教員も注目しており、生徒たちに最新の知識を提供するとともに、メタバースでの学習方法についても探求していきたいと考えています。どんな状況でも、新しい情報を取り入れ、生徒たちのための最良の教育方法を模索し続ける。これが、我々教員の役割であり、課題です。

我々は知識を教えるだけではなく、自ら学び、成長し続けることで、生徒たちに新しい視点と経験を提供することができます。そしてそれは、テクノロジーが進化し続ける現代社会で求められる、新しい形の教育者の在り方かもしれません。

このような新しい教育の取り組みをみて、私たちは日々刺激を受けています。これからも、工業科の教員として、生徒たちと共に学び続け、新しい技術と情報の波を乗り越えていく所存です。これからも、皆さまのご支援とご理解をお願い申し上げます。このジュニア講座には多くの女子中高生が参加しており、これは我々工業科にとっても参考になります。一般的に、工学は男性が多い分野というイメージがありますが、それを覆す活動が行われていることは大変心強いです。

また、ソニーや丸井、リクルートなどの企業から多数の社員が参加したリスキリング講座も注目に値します。これは、社会人の皆様が自身のスキルを新たに磨き直すための講座です。これらの活動を通じて、教育は学生だけのものではなく、社会全体に広がりつつあることを感じます。

一方で、このような取り組みが進む中、教員の忙しさが課題となっています。今後の教育改革では、教員の負担を軽減することも重要な課題となることでしょう。

大学の取り組みを見て、我々工業科教員も同じような活動を進めることで、生徒たちに対する新しい形の教育提供が可能になると感じています。学校教育は日々進化しており、我々教員も常に最新の情報を取り入れて生徒と共に成長していきたいと思っています。

これからも、教育の現場から最新の情報を皆様にお届けしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。今後とも、我々工業科教員を温かく見守っていただければ幸いです。

2023年7月1日土曜日

「教職大学院生への期待:実践的な学びを通じた未来の教育人材育成」


 こんにちは。工業高校の科主任として、日々最新の教育動向や、技術教育の進化について考えています。

先日、教育についての大きなニュースがありました。それは、文部科学省が教職大学院の学生に対し、非常勤講師としての実務経験を推奨するという通知を出したことです。これにより、実際の学校現場での経験を通じた実践的な学びが実現します。

特に学部新卒の学生で、まだ勤務校を持たない方々に対しては、非常勤講師として一部の授業を受け持ち、実践的な環境での学びが可能となるよう、教職大学院には附属学校や地元の教育委員会との連携が促されました。

こうした方針は、大学院生が教員への就職率が高いという現状を踏まえたものです。実際の授業現場での経験を積むことは、大学院生たちが教職へと進むための大切なステップとなりますし、教育委員会にとっても教職大学院との連携は、将来の優秀な人材確保に繋がる重要な取り組みとなることでしょう。

私たち工業高校も、このような教育の進化に適応し、若い教職志望者たちにとって有意義な場を提供できるよう、さらなる努力を重ねて参ります。

新たな教育方針には期待が高まります。それは、今後の教育人材の質向上や、より良い教育現場を作り上げるための一歩と言えるでしょう。今後もこの動向に注目しつつ、私たちの教育環境も進化させていきます。

「ダッシュボードの教育データ取り扱い方針」 都教委が原案提示

 


皆さま、こんにちは。今回は東京都教育委員会が推進する新しい取り組みについてお伝えします。

先日、東京都教育委員会は今年9月から、「教育ダッシュボード」によるデータの収集を推進する19の学校で開始する予定であると発表しました。この教育ダッシュボードは、教育データの取り扱いを適切に進めることを目指しています。

そのために、「東京都教育ダッシュボードにおける教育データ取り扱い方針」の原案が示されました。原案によれば、取得・保有する個人情報は主に「校務系情報」と「学習系情報」に分けられます。

対象となるのは、都立小中学校、都立中等教育学校、そして我々が所属する都立高校となっています。そして、これらの学校で保持される個人情報の保持期間は5年間とされています。

さらに、重要なこととして、このシステムでは児童生徒や保護者が教育ダッシュボードによる分析を望まない場合、その希望を尊重し、分析データから除外するという仕組みを構築することが明示されています。

このような取り組みは、教育現場の透明性を高めるだけでなく、教育の質を向上させるためのデータを提供することで、我々教員が更に生徒たちと寄り添った指導を行える可能性を秘めています。

しかしながら、このような新しい取り組みには時間と労力が必要です。我々教員は、これを機に更なる成長を目指し、教育の現場での役割を見直す必要があると感じています。

進化し続ける教育の現場で、私たち教員は情報を教えるだけの存在から、生徒たちが自分で学び、考える力を育む「コーチャー」へと変わるべきです。そのためには、自己を更新し続ける能力が求められます。

私たちは、この新たな挑戦を通じて、学校が持つ存在価値をさらに高め、生徒たち一人ひとりの可能性を最大限に引き出すことができると確信しています。

教育の未来に向けて、私たちと一緒に進んでいきましょう。ご一緒にお進み頂ける皆さまからのコメントや意見もお待ちしております。これからも、私たちの学校での取り組みにご注目いただければ幸いです。

ありがとうございました。

 皆様に重要なお知らせがあります。これまで私が務めてきた本校電気科主任として、教育や最新の工業技術トレンドに関する情報を発信してきたこのブログですが、人事異動に伴い、私は多度津高校への異動となりました。それに伴い、このブログの更新を終了することとなります。 サイトの運営は次の科...