2023年7月19日水曜日

未来のエネルギー源への新たな一歩

 湿気電気という言葉を聞いたことがありますか?これは、空気中の湿気を利用して電気を発生させるという革新的な構想です。近年、このアイディアが再び科学界の注目を集めています。今日は、その未来のエネルギー源について話します。

20世紀初頭、セルビア人発明家のニコラ・テスラは、私たちの周りにある空気から無限に好きなだけ電気を取り出せる世界を描きました。今の電気自動車のイーロン・マスク率いるテスラ社もここから名前がとられています。常に野心的だったテスラは構想の規模も大きく、地上と高層大気を巨大な電池の両端であるかのように見立てました。

無論、彼の夢は実現しませんでした。

マサチューセッツ大学の研究チームが、この分野で驚くべき進展を遂げました。彼らは、空気中の湿気から連続的な電流を発生させることに成功したのです。具体的には、極細チューブを大量に並べたデバイスを開発。このデバイスは、空気中の水分子がぶつかるたびに微量の電荷を蓄積します。そして、これが繰り返されることで電荷の不均衡が生じ、電気が発生するのです。

この発見は、教授が空気中の湿度を測る単純なセンサーを作るつもりでした。しかし、担当していた学生がたまたまコンセントを差し忘れたことによるものでした。

この技術の最大の魅力は、家庭の電力を賄うことができる点にあります。つまり、将来的には、このデバイスを利用して、家庭の電気を湿気から供給することが可能になるかもしれません。

しかし、この技術を大量生産化するにはまだ多くの課題が残っています。投資の確保、必要な材料の入手、そして材料の加工設備の整備など、多くのステップを踏む必要があります。

とはいえ、湿気電気の可能性は無限大です。環境に優しく、持続可能なエネルギー源としての役割を果たすことが期待されています。今後の研究の進展に目が離せませんね。

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