2023年8月31日木曜日

生成AIと工業高校教育

 皆さん、こんにちは。今日は2学期の始業式。

今回は、これからの社会の大きなターニングポイントと考えている生成AI(人工知能)が工業高校の教育、そして一般的な労働環境にどのような影響を与えるかについてお話ししたいと思います。

生成AIは医療からエンターテイメント、さらには教育の現場まで多岐にわたる産業でその利用が進んでいます。この技術の進化は、仕事に対する新しい視点やアプローチをもたらし、ポジティブなチャレンジの機会とも捉えられます。例えば、生成AIを活用して工業デザインのアイデアを生み出す、または複雑な数学的計算を効率的に解くといった具体的なアプリケーションが考えられます。

最近、国際労働機関(ILO)が生成AIに関するレポートを公表しました。そのレポートでは、生成AIが労働を「破壊する」のではなく、「補完する」可能性があるとの見解が示されています。これは極めて重要なポイントであり、我々教育者も考慮しなければならない事柄です。

もちろん、生成AIには課題も多く存在します。労働の代替という側面や、データの取扱い、倫理に関する問題など、解決しなければならない問題も多々あります。特に工業高校で扱うような技術職においては、AIが作業を効率化する一方で、人の仕事が減る可能性も考慮しなければなりません。

工業高校としては、このような新しい技術の影響をしっかりと理解し、生徒たちに正確な知識とともに、倫理的な視点も教える必要があります。生成AIの存在を知り、それに対応するスキルを持つことが、今後の社会で生き抜くための重要な武器になると確信しています。

残念ながら、香川県は生成AIにおいては消極的姿勢と言わざるを得ないのが現状です。生成AIは、ポジティブなチャレンジの機会をもたらす一方で、もちろん、労働の代替や倫理面などの課題も有します。

工業高校教育においても、この新しいテクノロジーをどのように取り込むかが問われています。

我々教員は、生徒が未来で直面するであろうこれらの課題に対処できるよう、教育の質を高める責任があります。そのためには、テクノロジーを恐れず、使ってみてその有用性をスピーディーに判断できる環境が必要である、と強く願うのみです。

2023年8月30日水曜日

イケアの着替え時間賃金問題と工業高校教育の質への示唆

 最近、家具小売り大手のイケア・ジャパンが従業員に着替え時間の賃金を支払っていなかったという話題が注目されました。この問題については、イケア側が9月1日から着替え時間に対する賃金を支払うと発表し、多くの人々がその反応を注視しています。労働基準法には着替え時間が労働時間に該当するかどうか明確な規定はありませんが、最高裁の判断では、使用者から義務付けられた場合は労働時間に当たるとされています。

このような社会的な問題が浮上すると、我々工業科の教員としては、何を生徒に教えるべきか、という点について考えさせられます。

イケアのケースでは、法の解釈と倫理的な判断が交錯しています。これは、未来のエンジニアや技術者たる我々の生徒たちにも大きな示唆を与える問題です。技術だけでなく、法や倫理についてもしっかりと考えられる人材が求められる時代です。

イケアが新しいルールで、着替え時間を一律5分とし、計10分間を1日の労働時間に含めるとしています。これは、「時間の価値」についても我々と生徒たちが考える良い機会です。特に工業においては、効率や時間管理が重要なテーマであり、どのように時間を価値あるものとして扱うかが問われます。

こうした社会的な問題から、何を学び、何を教えるか。それは我々教員が常に考えるべき課題です。技術的なスキルはもちろん大切ですが、それだけではなく、社会全体としてどうあるべきかを考え、判断できる力を育むことが重要です。

教育の場としての工業高校は、これからも進化し続けるべきです。そのためには、我々教員自身も進化し続ける必要があります。


興味を持っていただけた方々には、是非とも工業高校の世界に足を踏み入れてみてください。新しい発見と成長が待っています。

2023年8月29日火曜日

技術情報のシェアと学びの環境

 こんにちは、高等学校工業科の主任です。現代の学生たちはSNSを利用して情報を得ることが多くなっています。その中で、私たち教育者としても、どのようなSNSがあるのか、それぞれの特性や利用方法について理解することは重要です。今回は、一般的なSNS利用の傾向と、私たち工業分野におけるSNSの有効な活用方法について考察してみたいと思います。


1. SNSの利用傾向

X(ツイッター)の利点

X(ツイッター)は専門家や技術者が多く集まる場所として知られています。文字主体のため、情報取得がしやすく、ツイートという形式でささいな情報から専門的な情報までシェアできる点が特長です。また、オフラインの出会いへとつながるケースも多く、新しい繋がりや学びの機会が広がっています。


インスタグラムの活用法

インスタグラムはビジュアル情報が中心で、特にデザインやアート分野での情報共有やインスピレーションを求める際には非常に役立ちます。また、「Dazzカメラ」のようなカメラアプリとの連携も人気で、新しい表現方法やアイディアを見つけることができます。


2. SNSに求めるもの

多くの人々はSNSに対して、適度なくだらなさを含む情報交換や、異分野の専門的な情報の解説を求めています。また、UIのカスタマイズ機能や簡易な設定、検索や翻訳機能などのユーザビリティも重視されるポイントとなっています。


私たち工業分野にとって、これらのSNSは新しい技術や知識を共有する場所として、また学びの環境として非常に有益です。生徒たちと一緒に、これらのSNSをうまく活用して、新しい学びの機会を増やしていきたいと思います。

2023年8月28日月曜日

学校を核とした持続可能な地域づくりの取り組み

最近の環境教育に関する動きについての興味深い情報をお伝えしたいと思います。

環境教育等推進専門家会議にて、学校を中心に持続可能な地域づくりへの取り組みが報告されました。これは、私たちの学びの場が地域社会と連携し、より良い未来を築くための役割を果たす素晴らしい例です。

北海道の羅臼小学校では、地域の宝、昆布漁師から直接昆布の切り方を学びました。子供たちはその経験を基に「こんぶ図鑑」を作成し、昆布の価値や地域の文化を伝える素晴らしい取り組みをしています。

また、新渡戸文化中学校・高校では、従来の修学旅行とは一線を画す方法を導入。持続可能な取り組みを実践する自治体を訪れるスタディツアーを実施しています。このような取り組みは、生徒たちに持続可能な社会を形成するための具体的な方法や考え方を学ぶ大きな機会となっています。

そして、周防大島高校では、学校の枠を超えた取り組みを見ることができます。生徒のアイデアが産官学のステークホルダーによってサポートされ、地域循環共生圏づくりのプラットフォームが構築されています。


これらの実践は、私たち教員が学びの場をどのように捉えるべきか、そしてどのように地域と連携して教育活動を進めるべきかを示してくれます。環境教育の課題として、質や効果を高めるには教師のアンテナの質を高める必要があります。ただ学校現場は教師の異動があり、環境教育の目的を共有し続けるのが難しいとされています。異動してすぐにアンテナを高くする教師もいますが、教師の力量に左右されてしまう面は往々にしてあります。外国語教育が入ってきたり、ICT教育が入ったりと、『総合的な学習の時間』にまで教材研究をする余裕が生まれないのが現実としてあります。そのため前年度と同じ活動に陥りやすいのが現状です。

「環境教育をいかに持続可能にしていくか」と、教員の負担の大きさの解決が重要です。

2023年8月27日日曜日

流行りものより、好きなもの。

 好きなものはあなたを幸せな気分にする。

他人からどう見られようが、遅れていようが関係ない。

熱をもって好きといえるものがあるって、かっこいい。

好きがそんな自分をつくっていく。

2023年8月26日土曜日

NASAが示した世界の気温変化

 地球変動、ほんと真剣に考えないと・・・

https://twitter.com/i/status/1694462169168085264


2023年8月25日金曜日

目指す学校

 


これからの学校はこうあるべき。

共有させていただきます。

2023年8月24日木曜日

「Tokyo Education Show」から学ぶ

 先日、「Tokyo Education Show」という教育研究フェスが東京学芸大学で開催されました。このイベントはオフラインとオンラインのハイブリッド形式で行われ、多くの教育関係者が参加しました。特に興味深かったのは、新時代の教育と教員キャリアについての議論です。今回は、その内容についてお伝えしたいと思います。


新たな教育の風:広島桜が丘高校の桐原副校長

驚くべきことに、広島桜が丘高校の桐原琢副校長は新卒1年目でその役職に就任しました。彼が進める教育改革は、「自考自創」を新たな教育理念として掲げ、生徒が「自分の人生を創り出す力」を身につけることを目的としています。


彼の言によれば、教育現場で一般的な「定期テスト」や「教員主導の行事」などは廃止し、生徒主導で行事を運営し、成績も教員と生徒でつけるように変更しているとのこと。これは、生徒一人ひとりの個性や能力に焦点を当て、多様性を尊重する新しい教育スタイルと言えるでしょう。


教員の挑戦と視野:日野田校長のメッセージ

日野田直彦校長もまた、教員のキャリアについて独自の視点で語りました。彼によれば、「キャリアを極めることも重要だが、時には全て捨てて新しい視点を持つことも大事」とのこと。これは、教員が時代の変化に柔軟に対応するためには、常に新しい挑戦と視野の拡大が必要であるというメッセージです。


私たち工業科で考えること

このような新しい動きに触れると、私たち工業科でも進化し続ける必要があると強く感じます。技術や知識は重要ですが、それだけでは不十分です。生徒たちが多様な価値観やスキルを持ち、自分自身で考え行動できるように、指導方法も進化させなければなりません。


何より重要なのは、生徒たちが「生きたいように生きられる力」を育むこと。そのためにも、私たち教員が挑戦し続け、新しい教育スタイルに柔軟に対応することが求められています。


最後に、桐原副校長が強調したように、「教員とは、挑戦し続ける人、常にアンテナを張っている人、生徒を信じて待てる人、そして何より、楽しんでいる人」であるべきだと私も思います。新しい時代の教育界で、私たちが果たすべき役割について、これからも取り組んでいきます。

2023年8月23日水曜日

岐阜県の大学生調査から見える現状

今日は岐阜県教育委員会が公表した「教職魅力化に関する大学生調査」の内容について、少し考察してみたいと思います。


労働環境の課題

この調査によると、教員にならなかった学生が多く挙げた理由の一つは「休日出勤や長時間労働のイメージがあるから」(79.0%)であり、次いで「職務に対して待遇(給与など)が十分でないから」(64.4%)が続きます。この結果からもわかるように、労働環境が教員を志す障壁となっていることが明らかです。


スキルに対する不安

また、授業の進め方やいじめ問題に対する対応など、教員としてのスキルへの不安を感じる学生も一定数存在しました。具体的には、「教員としての適性がないと感じたから」(54.6%)、「授業ができるか不安だから」(53.3%)、「いじめや問題行動への対応ができるか不安だから」(49.4%)といった回答がありました。


魅力を感じる学生

一方で、教員になることを選んだ学生は「児童や生徒と関わることが好きだから」(96.5%)、「自分の取得する免許の教科・領域が好きだから」(91.3%)といった、教職の魅力ややりがいに引かれているようです。


総評

教職には確かに多くの課題がありますが、それでもなお、多くの学生が教職の「やりがい」を感じ、教員としての道を選んでいます。実際、教員を目指し、毎年、卒業生たちが教育実習にやってきます。私たち現場の教員も、このような調査結果を真摯に受け止め、教育現場での改善に努める必要があります。教育のありかたが大きく変わろうとしてます。そのためには、我々自身も変化を恐れず、それらに対応することが重要です。生徒に進化(改善)を求めるなら、我々もつべこべ言わず、やってみること、これに尽きると思います。やってみてから、見えてきたことを共有し、改善していく。これが本校が”選ばれる学校”になる必要最低条件だと思います。

そして、工業高校に関わる皆さんにも言えることですが、新しい技術や知識だけでなく、人としての成長やスキルも重要です。教員が「コーチャー」になり、生徒一人ひとりに寄り添った教育を実現することで、より良い教育環境を作り上げられると信じています。

以上が、岐阜県教育委員会が行った調査についての私の考察です。

2023年8月22日火曜日

子どもたちの居場所つくりに必要なもの

 今日は、子どもたちの居場所づくりに取り組む「#学校ムリでもここあるよ2023キャンペーン」について紹介します。

夏休み明けに学校に行くことがしんどいと感じる子どもが増えているのを背景に、全国各地の子どもの居場所づくりに取り組む団体が連携して、特設サイト上で学校や家庭以外の安心できる居場所や相談場所を紹介しています。このキャンペーンは、2019年から毎年夏休み明けに行われており、フリースクール、子ども食堂、プレーパークなど、全国各地の子どもの居場所の情報を紹介しています。

オープニングイベントが8月20日にオンラインで開かれ、ハンズオン埼玉の西川正副代表理事、豊島子どもWAKUWAKUネットワークの栗林知絵子理事長、フリースクール全国ネットワークの中村尊代表理事、パノラマの石井正宏理事長が登壇しました。彼らは、「こどもまんなか」というテーマで、子どもたちの生きづらさをどう減らし、寄り添う支援につなげていけるかを話し合いました。

モデレーターの西川副代表理事は、子どもの状態と学校に行く・行かないを組み合わせた4象限の図を提示し、「子どもたちが良い状態にいられるのかどうか」を共通の目標にするべきだと述べました。

これに対して、中村代表理事は、「苦登校」の子どもたちが自死を選んでしまうこともあると指摘し、「子どもが休みたいと言えば、『分かった、休もう』と言ってほしい」と保護者や教員に呼び掛けました。

石井理事長は、高校での「居場所カフェ」の活動を紹介し、「信頼貯金」をためておくことの重要性を強調しました。

栗林理事長は、「学校の先生も相談すれば何とかなるという体験がないのかなと思う」とし、学校と地域が連携できる社会になってほしいと話しました。

石井理事長は、学校が福祉的な機能を強化し、さまざまな民間との協働でケアができるようにすべきだと提案しました。

西川副代表理事は、「先生の余裕のなさが『苦登校』の子どもを生んでいる。これが根本的な問題なのかもしれない」と応じました。

私たち教員は、校務をこなすことも重要ですが、生徒たちと向き合うことが重要かつ必要です。そのためには、テクノロジーの力をフル活用してその時間を生みだす、これが私の使命だと考え、これからも活動していきます。

2023年8月20日日曜日

人生の大半を占める仕事が楽しくなかったらもったいない。


 仕事には人生の大半の時間を割くので楽しんだ方がいい。

ちなみに、楽しいから本気になるのではなく、本気になるから楽しくなるらしい。

それでも、もし楽しめなかったら辞めちゃおう。

電気運搬船

 東京の新興企業「パワーエックス」が、再生可能エネルギーが余る地方から都会へ電気を輸送する世界初の「電気運搬船」を開発している、というニュースに興奮しました。この電気運搬船は、再エネの有効活用につながると期待されています。今治造船が設計し、2025年に完成予定であることから、私たちの生活がさらに豊かになることでしょう。


再生可能エネルギーが余る地方から都会への電気輸送という取り組みは、日本のエネルギー問題を解決するための有望な手段と言えます。特に、都会の電力需要が高まる中で、地方の再エネを有効活用することは、環境にも社会にもメリットがあります。また、九州電力や横浜市港湾局が実証実験に参加する予定だとのことで、さらに期待が高まっています。


工業高校の生徒たちにとって、このプロジェクトは興味深い取り組みであると思います。特に、電気や機械、船舶関連の技術に興味を持つ生徒にとっては、実際の技術開発がどのように進められるのか、どのような企業や団体が関わっているのか、といった情報を知ることは非常に有益です。また、これからの日本のエネルギー問題を考える上で、再エネの有効活用という観点は欠かせません。


このような技術革新を追いかけつつ、自らも新しい技術や知識を学び続けて、将来に貢献していける人材になって欲しいと思います。私たち教員も、生徒たちがこのような取り組みに興味を持ち、自ら学び続ける姿勢を育てられるよう、サポートしていきたいと考えています。

2023年8月19日土曜日

黒板からホワイトボードへ

 最近、私は国際的な教育トピックに注目しました。特に、スウェーデンの教育において、古くから使われてきた黒板から、より新しいホワイトボードへの移行が進んでいることに興味を持っています。

これは、教育界における変革の一例として注目に値するものです。黒板は長い間、教室の権威を象徴するものとされてきましたが、最近の教室では共同作業の場としての性格が強まっています。県内の高校でも、黒板からホワイトボードへ変更しているところもあります。

スウェーデンの若い先生たちの間でホワイトボードが一般的になってきているようです。しかし、ホワイトボードを授業の構造を整理するツールとして活用することはまだ少ないようです。多くの先生たちはホワイトボードを単にメモ書き程度にしか使っていないというのは、ある意味残念ですね。

黒板を使った伝統的な教室もまだ存在しますが、演習室やグループ学習室ではホワイトボードへの取り換えが進んでいます。これは教室が共同作業の場に変わっていることを示しているのかもしれません。

私たちの教育においても、スウェーデンの例から学べることが多いと感じます。黒板だけでなく、ホワイトボードやデジタル技術をうまく組み合わせて、生徒とのコミュニケーションを豊かにすることが大切です。生徒との対話を通じて、彼らの疑問を解消し、興味を引き出すためには、多様な教育ツールを活用することが必要です。

この変革がもたらす新しい教育環境は、教師たちにとっても刺激的です。ホワイトボードやデジタル技術を活用することで、教師は生徒とのコミュニケーションをさらに向上させることができます。最新の教育手法を取り入れながら、効果的な授業を行うことが、私たち教師の使命です。

2023年8月18日金曜日

生成AIと教員の協働

近年、生成AIの進化によって、学びの方法にも大きな変化が生じてきました。AIが得意とする情報の処理と解答により、人間が答えられる範囲の知識はAIに委ねることが増えています。これにより、人間が「学問」に深く移行するためには、情報を単に受け取るのではなく、自らの頭で考え、問いを立てることが大切になってきました。

学びの原点とも言える「問答」がこの時代においても非常に重要であり、生成AIとのチャットを通じて、人類がこれまでに生み出してきた知の体系と直接対話をすることができます。これは、私たちが過去の知識を引き継ぎながら新たな知識を獲得するための一助となります。

しかし、AIは人間とは異なり、純粋経験や歴史的身体、行為的直観などの人間特有の要素を持ちません。このようなAIと人間の違いを理解し、人間の本質を捉えることが重要です。私たちは、学びの中でAIと人間の違いを考えながら、人間の特性を活かすことができます。

そして、学校現場において、生成AIを活用する際には、教員がファシリテーターとしての役割を果たすことが求められます。教員がAIとの対話を通じて、学びを促進する手助けをすることができます。学びの現場では、AIを使った学びが進んでいく中で、私たち教員が学びのサポートをし、人間性を大切にしながら学びの環境を整えることが大切です。

私たち教員がAIと共に、生徒たちの学びをサポートするために、AIの活用法を学び、教育現場でのファシリテーターとしての役割を果たすことが重要と考えます。これにより、私たちの教育が新しい形を取り入れながらも、人間性を大切にして進化していくことができます。

2023年8月17日木曜日

こども大綱

 こども大綱の策定に関して進められている検討の経緯と最近の動向について、皆さまにお知らせいたします。最近、こども家庭審議会基本政策部会が第5回会合が開かれ、エビデンスに基づいた政策立案(EBPM)をこども施策で推進していくための考え方や、こども・若者の意見反映の仕組みなどについて議論が行われました。

こども家庭庁のEBPM研究会で座長を務める貞廣斎子委員(千葉大学教育学部教授)は、エビデンス支援機関の創設を提言しました。そして、学校の教職員をはじめとするこどもと接する最前線の専門家の暗黙知や経験値も尊重すべきだと強調しました。

少子化社会対策大綱や子ども・若者育成支援推進大綱、子供の貧困対策大綱など、既存のこどもに関する大綱を一本化することになるこども大綱では、今後5年間で達成すべき具体的な数値目標や指標を整理し、基本的施策ごとに設定することが想定されています。

EBPMについて、貞廣委員は「1回導入した政策を続けるのはEBPMの哲学とは反してしまう」と指摘しました。むしろ、検証してうまくいかなければ別の形でやり直す試行錯誤のプロセスが必要だと語りました。その上で、政策立案をサポートするエビデンス支援機関を設置する必要性を提言しました。

また、最前線の専門家が持つ暗黙知や経験値の重要性を強調しました。定量化が難しいものも重視して政策を進めていく必要があると述べました。そして、研究者が支援し、概念化や定量化、可視化の努力をすべきだと提案しました。

最後に、こども大綱の数値目標や指標については、子どもの権利やウェルビーイングに基づくものにすべきだという意見が複数の委員から提案されました。これからも検討が進められる中で、子どもたちのためによりよい政策が策定されることを期待しています。





2023年8月14日月曜日

人間らしさ

 技術の進化は止められない。毎日、新しい情報、新しい発見が飛び込んできます。特にAIの進化は、我々の生活、働き方、そして教育にも大きな変化をもたらしています。私が初めて教壇に立った頃と比べると、今の学びの環境は大きく変わりました。スマートボードやタブレット、オンライン学習の普及は、教育の可能性を飛躍的に広げています。

しかし、どれほどの高度な技術が私たちの手元にあろうとも、人と人との関係性、コミュニケーションの重要性は変わりません。むしろ、デジタル化が進む現代において、人間同士の真実のコミュニケーションはさらに価値を増していると感じます。

工業高校生として、本校生徒は毎日の授業や実習を通じて多くのことを学んでいます。特に、私たちの学校は、機械や電気、電子など様々な技術を扱うため、協力しながら学んでいくことが多いです。そんな中で、最近気になることがありました。それは、働く上での価値観について。

先日卒業生がが「周りと仲良く仕事ができればいい」と話していました。工業高校生にとっても、実際に現場に出て仕事をするとき、技術や専門知識だけでなく、人間関係が重要だと感じています。実習中も、先輩や同級生とのコミュニケーションがうまくいかないと、作業が進まなかったり、思わぬミスを招くこともあるので、人との関わりは非常に大切だと考えています。

「仲良く仕事ができる」というのは、実はスキルの1つなのだと思うようになりました。技術者を目指す者にとって、技術だけがスキルではないと考えています。我々は、技術だけでなく、チームでの協力やコミュニケーション能力も重要だと伝えています。それを実感するのは、実習やチームプロジェクトの中での経験を通じてです。

もちろん、仲良くすることだけを目的にしてはいけないとも思います。技術や知識の習得も重要です。しかし、その中でも、人間関係を大切にし、お互いを尊重し合いながら成果を出していく姿勢は、これからの社会で求められる大切な要素の一つではないでしょうか。

これから社会に出て活躍するためには、技術や知識だけでなく、人との関わりを大切にする姿勢やコミュニケーション能力も磨いていく必要があると感じています。それが、真のプロフェッショナルとしての姿勢なのではないかと考えています。工業高校で教えている生徒たちは、専門的な知識や技術を身につけるために日々励んでいます。彼らの情熱や好奇心は、私自身の教育への情熱を常に刺激してくれます。しかし、それと同時に、私は彼らに技術だけがすべてではないこと、人としての深い関係性や共感、理解、そして思いやりを大切にすることの重要性を伝え続けています。

AIは計算をし、問題を解決しますが、人の心を温めたり、共感したりすることはできません。心のこもった笑顔や、支え合う関係は、どんな先進的な技術よりも私たちの心を豊かにしてくれます。

今後も、技術の進化は続いていくでしょう。AIやその他の技術は、私たちの生活をより便利に、より効率的にしてくれることでしょう。しかし、それと同時に、私たちは自分自身が人として持っている独自の価値や関係性の大切さを見失ってはなりません。

2023年8月13日日曜日

多様性について

 皆さま、こんにちは。工業高校の主任として働いている者です。今日は少し、「深い」そして「難しい」内容について書きます。

先日、NewsPicksの記事「『「多様性」にムカつくこと』というトピックス」を読みました。この記事を読んで、工業高校の視点からも「多様性」についての意義や問題点に思うところがあったので、お話ししたいと思います。

工業高校に通う生徒たちは、将来、技術者として様々な業界で活躍することを目指しています。その中には、性別、文化や生き様など、さまざまなバックグラウンドを持つ生徒たちがいます。この「多様性」は、私たちの学校の強みであり、新しい発想やアイディアを生む原動力となっています。

記事で触れられていた「多様性の尊重推進」や「ニューロダイバーシティ」

【ニューロ・ダイバーシティは、教育や障害に対するアプローチであり、様々な神経疾患は普通のヒトゲノムの差異の結果として現れるのだ、ということを提唱する。この用語は、1990年代後半に、神経学的多様性は本質的に病的なものであるとする通説に対抗するものとして現れた。 ウィキペディアより】
といった言葉やスローガンが、時には「登ったら消えるハシゴ」(行きていく上では非常に重要なものだけど、手に入れた途端に消えていまう)として感じられることも確かです。それは、目指すべき「真の多様性」が達成された際には、もはやこれらのスローガン自体が不要になるからです。

この言葉はもともと、対人支援において語られてきた言葉ですが、例えば、少し前に「イクメン」という言葉が流行りました。父親なのだから自分の子どもの育児をするのはそもそも当たり前のことですが、本来当たり前のことが当たり前でない、何とかしなくてはいけない状況が、この社会には至る所にあります。課題の解決には、何らかのアクションが必要です。そこで出てくるのが何らかのハシゴ(手段)を用いて、社会課題の解決に向かおうとする発想です。重要なことは、このハシゴは登ったら不要になる、消えるハシゴだということです。イクメンの例で言うと、男性の育児が当たり前になったらこの言葉はもう必要がなくなります。

私たちの教育現場でも、技術や知識の習得だけでなく、多様な価値観や背景を尊重する心の持ち方を大切にしています。それは、一人一人の生徒が、自分の持っている才能や特性を最大限に活かすことができる環境を整えるためです。

もちろん、教育の現場でも「多様性の強要は画一的だ」と感じることもあります。しかし、そのような声があること自体が、我々が目指す「真の多様性」にまだ達していない証拠でもあります。多様性を尊重するための方法やアプローチは一つではありません。そして、その多様性を目指す過程で、さまざまな考え方や意見が出てくることは自然なことです。

私たちは、一人一人の生徒が持っている「多様性」を大切にし、それぞれの個性や能力を最大限に発揮できる環境を整えることを目指しています。そして、その多様性が真に尊重される日が来たとき、我々は「多様性」という言葉を使う必要がなくなるかもしれません。それが、真に一人一人が大切にされる社会、そして学校だと私は信じています。

2023年8月12日土曜日

北欧の教育現場におけるChatGPT等の生成AIの利用

 最近、北欧の教育現場で話題となっているのが、生成AI、特に「ChatGPT」のような技術の利用に関するものです。実際、私も最近この情報に触れ、非常に興味を持って取り組みを追っております。

スウェーデンの学校教育庁は、試験時のカンニングのリスクが高まることを懸念して注意喚起を行っています。生成AIは非常に高度な文章生成能力を持っているため、生徒が個人情報を入力することなく、正確な回答やレポートを即座に生成することが可能です。このため、生成AIが学生の課題や試験回答を書いたのか、それとも生徒自身が書いたのかの判別が難しくなってきました。

一方、大学生の間でのアンケート調査によれば、半数以上の生徒が生成AIの利用に前向きであることが明らかとなっています。技術の進化とともに、生徒たちの考え方や取り組み方も変わってきているのかもしれません。

私たち工業高校の教育現場でも、このような技術の波が迫ってくることは避けられないでしょう。ただ、私たちはこの技術を拒絶するのではなく、どうやって生徒たちの学びの中で上手に活用していくか、その方法を模索していかなければなりません。

私は、生成AIを適切に活用すれば、生徒たちの学びが更に深まる可能性があると信じています。技術の進化は止められませんが、それを上手く取り入れ、生徒たちのための最良の学びの場を提供することが私たち教員の使命だと考えます。

これからも、新しい技術や情報に敏感になりつつ、生徒たちの学びの質を高める取り組みをしてまいります。

2023年8月11日金曜日

酷暑

 今年、日本をはじめとする多くの国々で、これまでにない酷暑が続いています。アメリカやヨーロッパでも同じように異常な熱波が発生しており、人々の生活や健康に影響を及ぼしています。

そして、その影響はただの気象の変動ではないことを、国連事務総長が強調しています。彼は「地球温暖化の時代が終わり、地球沸騰の時代が到来した」との言葉で警鐘を鳴らしており、私たち人類のこれからの生活や環境への影響が非常に深刻であることを伝えています。

私たちが日々の生活の中で体験している暑さや環境の変化は、地球全体の大きな変動の一部であり、その原因や影響を正確に知ることは非常に重要です。私たち教育者として、このような環境問題を生徒たちに伝え、未来のための適切な対応を教えることが求められています。

工業高校としては、持続可能な技術やエネルギーの開発に貢献する専門家を育成することができる立場にあります。このような大きな環境問題を背景に、私たちの役割はますます重要になってきています。

今後の授業や研究活動で、この問題をより深く掘り下げ、生徒たちとともに解決策を模索していくことが大切だと感じています。私たちの小さな一歩が、地球の未来をより良くするための大きな一歩となることを期待しています。

2023年8月10日木曜日

横浜創英中学・高校工藤勇一校長の教育観と私の学び

 私が初めて工藤勇一先生の名を耳にしたのは、彼が千代田区立麹町中学校の校長を務めていた頃でした。その後、書籍『学校の「当たり前」をやめた。生徒も教師も変わる!公立名門中学校長の改革』を手に取ることとなり、その中に綴られた先生の独自の教育哲学や取り組みに深く感銘を受けました。

この書籍を通じて、私は「手をかけて育てる」教育の限界や問題点をより具体的に理解することができました。以前勤めていた学校での「手厚い」と評価される教育に対して私が感じていた疑問や不安が、この書籍によって明確に言語化されました。実際、過度なサポートや介入は、生徒たちの自律性や主体性を奪いかねない。

工藤校長の指摘する「与え続ける教育」の限界や、生徒たちが自ら学び方を学ぶ重要性は、今の教育現場で真摯に向き合い、反省し続けるべきテーマです。そして、この書籍を通じて、教育の場での対話や意見交換の大切さを改めて感じました。

以前の学校での経験と、工藤先生の著書を読んだことで、私の中の教育に対する考え方や価値観が大きく変わりました。私たち教員の役割は、生徒たちに知識や情報を供給するだけでなく、彼らが自らの力で考え、学ぶ力を身につける手助けをすることにあると痛感しています。

私は、工藤先生の考え方やこの書籍に学んだ教育の本質を、今後の教育現場で生かしていきたいと考えています。生徒たちの真の成長と、新しい時代に適応する教育の実現のために。

2023年8月9日水曜日

白熱電球

8月1日、大きな変革が米国の照明技術の世界を訪れました。白熱電球の販売が禁止される新しい規制が施行されました。発光効率の基準が1ワットあたり45ルーメンに引き上げられ、これにより多くの白熱電球が市場から姿を消すこととなりました。また、この新基準はハロゲン電球にも適用されるため、その販売も大きく変わることとなります。ただし、特定の用途、例えばオーブンや虫よけライト用の電球は、新しい基準の対象外とされています。この変更は、環境保護とエネルギー節約の観点から歓迎される動きと言えます。

そして、この変革の中心となるのがLED電球です。LED電球は従来の白熱電球やハロゲン電球と比べ、非常に高い効率で明るさを提供し、長寿命でありながら節電にも寄与します。米国エネルギー省のデータによれば、この新しい基準により、今後30年での二酸化炭素排出量削減効果は2億2200万トンにも上るとされ、その影響の大きさが伺えます。

工業高校の私たちにとって、このような技術の変化は非常に重要です。照明技術は、私たちの生活の質を高め、エネルギーの有効活用に寄与しています。私たちの学校で学ぶ生徒たちは、このような新しい技術の波を捉え、それをさらに進化させる力を身につけることが求められます。

未来の技術とともに、私たちの教育も進化し続けています。工業の現場で活躍するためには、最新の技術動向をしっかりと捉え、それに応じた知識と技術を身につけることが必要です。

今後も、生徒たちに基本技術とともに、最先端の技術と情報を提供し、一緒に学び、成長し続けていきたいと思います。






2023年8月8日火曜日

EdTech 3.0時代と新しい学びの形

 こんにちは、工業高校の教科主任として日々、技術や教育の変遷を感じています。今回は、新時代のEdTechについての私の視点を皆様と共有させていただきたいと思います。

第3世代と呼ばれる「EdTech 3.0」に私たちの教育は突入しています。最初の段階、第1世代はオンライン動画の時代であり、次に進化した第2世代では、AIを活用したドリル学習が主流でした。しかし、今目の前に広がる第3世代のEdTechは、それまでの学習とは一線を画すものとなりそうです。具体的には、一人一人に合わせた家庭教師のような存在としてAIが立ち位置を築いていくことでしょう。興味深いことに、Khan Academyは「Khanmigo」という新サービスのデモを公開しており、これはまさに新時代の学びの形を予感させます。

さらに、AIの力が真に発揮されるのは、単なる知識の習得を超えた、創造的な学びの場であると考えています。研究や地域の問題解決、オリジナルコンテンツの制作など、知識を活用して新しいものを生み出す学びがこれからのキーとなるでしょう。社会全体での評価の基準も変わり始めており、伝統的な「習い事」の考え方も大きく変わる可能性があります。

それに伴い、第1、第2世代の主役であったオンライン動画やドリル教材は、その位置をEdTech 3.0に譲る形でシフトしていくでしょう。しかし、教育コンテンツが持つ「面白さ」や「楽しさ」は、時間が経っても色褪せることはないでしょう。

最後に、教員の役割にも変化が求められています。"教える"だけではなく、AIとの連携や学習デザインのスキルが必要となってきています。新しい教育の形に適応し、生徒たちとともに成長していくための知識や技術を磨き続けることが、これからの教員に求められるでしょう。

これからの時代、新しい学びの形を共に築いていくことを楽しみにしています。

2023年8月7日月曜日

未来の住まい

 先日、非常に興味深い情報を目にしました。それは、米テキサス州で建設中の世界最大規模の3Dプリント住宅群に関するものでした。今日はその話題についてシェアしたいと思います。


最初の完成した住宅が公開されたというこの報道によれば、コンクリートベースの建材で壁を「プリント」した平屋建ての住宅が9月から入居者を迎える100棟中の最初の1棟となっています。この住宅群は、州都オースティンから北へ約48キロ離れたジョージタウンの「ウルフ・ランチ」という開発エリアに建設されており、その背後には、建設会社ICON、住宅建設会社レナー、そしてデンマークの設計事務所ビャルケ・インゲルス・グループ(BIG)の名があります。


ICONの広報担当者、カーラ・カルキンズ氏の情報によると、一部の住宅はすでに購入されたとのこと。その住宅の壁は、幅約14メートルのロボットプリンターがラバクリートというコンクリートミックスを押し出して形成され、壁のプリントが完了すると、ドアや窓、ソーラーパネルを備えた屋根が設置されるという流れです。


興味深いことに、ICONのCEOであるジェイソン・バラード氏は、この3Dプリント技術が、より早く、より手頃な価格で高品質の住宅を提供できると話しています。事実、独自の調査によれば、住宅をプリントすることでCO2の排出量と廃棄物が削減できることが示唆されています。


しかし、全てが順調というわけではありません。一部の批判的な意見として、3Dプリント住宅が炭素集約型のコンクリートに依存していること、また安全性や安定性に関する建築基準法がまだ広く採用されていない点が挙げられています。


それにも関わらず、バラード氏は自社の技術をホームレス問題や自然災害時のシェルター提供の解決策として活用できるとの見解を示しています。


最後に、彼の言葉を引用します。「3DプリントはSFではない。SFから現実へと境界線を越えた。将来的には、我々が持つ最も高い価値観や理想に合致する住宅の解決策として、3Dプリント住宅が人々の期待の的になると信じている」


未来の住まいがどのように進化していくのか、非常に楽しみですね。

2023年8月6日日曜日

今こそ必要なアナログ

 皆さん、こんにちは。本日も私のブログにお立ち寄りいただきまして、誠にありがとうございます。本日は、「デジタル推進派の私」が情報の取得とその活用についての視点を共有したいと思います。

AIやインターネットの進化によって、我々は情報を瞬時に得ることが可能になり、その範囲は世界全体にまで広がりました。このことは、私たちの生活を劇的に変化させ、知識を得る方法を多様化しました。しかしながら、この便利さには思わぬ落とし穴が存在します。

インターネット上の情報は皆がアクセス可能で、誰もが同様の知識を手に入れることが可能です。ですが、その同じインプットから他人とは違うアウトプットを生み出すことは、それほど容易ではありません。ここで、アナログな情報の重要性が浮き彫りになります。

たとえば、現場を訪れる、実際に体験する、その経験から得た洞察は、インターネットで読む記事や視聴するビデオから得られる知識とは質が異なります。現場体験や直接の対話から得られるアナログな情報は、個々の経験や感情に直結するため、他の誰とも異なるアウトプットを生み出すことができます。

インターネットから得られない、アナログの情報は多く存在します。これらの生の情報を得ることで、我々は自分だけの視点や意見を形成し、それが他とは違う価値あるアウトプットへとつながるのです。

情報社会の中で育つ私たちの生徒たちは、インターネットを駆使して情報を集めるスキルを自然と身につけています。しかし、それと同時に現場での学びや、アナログな情報からの洞察を得る力も大切に育てていくべきだと考えます。デジタルとアナログ、二つの視点から情報を捉えることで、より深く、より幅広く学び、創造的なアウトプットを生むことができるのです。

以上、私の考えを少しでも皆さんと共有できれば幸いです。次回も引き続き、皆さんと一緒に学びを深めていきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

2023年8月5日土曜日

ワンストップ

 いつも当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。今日は、最近の話題である「万能アプリ」について、お話ししたいと思います。

先日、有名なテクノロジーのリーダー、マスク氏がツイッターの名称を「X」とし、「万能アプリ」を目指すと発表しました。シリコンバレーを中心に、デジタル世界のリーダーたちはこぞって自分たちの領土を拡大し、一つのアプリで多機能を提供することに挑戦しています。

この背景には、アジアの各国での成功事例があります。たとえば日本の「LINE」アプリは、メッセージングだけでなく、ワクチン接種証明の取得や、様々な商品の購入といったサービスを提供しています。同様に韓国の「カカオトーク」も、元々はメッセージングアプリでしたが、現在では送金やタクシーの予約までが可能になっています。

そして最も成功を収めているのが中国の「ウィーチャット」です。友達とのチャットからピザの注文、さらには家賃の支払いまで、多岐にわたるサービスを一つのアプリで行えるワンストップサービスを提供し、インターネット界を牽引しています。

そこで、本校でも「ワンストップ」を目指し、全ての情報を一元化したポータルサイトの構築に取り組んでいます。これにより、教職員たちにとっては情報のアクセスが容易になり、教育の質を向上させるためのデータが手に入りやすくなると考えています。

これからも私たちは、新しい情報技術を積極的に取り入れ、最適な教育環境の構築に努めて参ります。総合高校に興味を持つ皆様と共に、学び進化させていくことを楽しみにしております。

2023年8月4日金曜日

アクティブな挑戦

 最近、放送された番組に深く引き込まれました。その番組では、高等専門学校(高専)の生徒たちがAIを駆使したユニークなビジネスモデルを発表し、自らのアイディアをシェアしていました。特に印象的だったのは、大学の教授でもあるAIの第一人者が放った一言です。

「大学生は考えるけど、手を動かさない。高専生は手が動いている。」

この言葉は深い意味を持っています。大学教育はしばしば理論や抽象的な知識に重点を置くことが多い。対照的に、高専や工業高校の教育は実技や実践的な技術を中心に据えています。これは、実世界での「ものづくり」や「ひとづくり」のプロセスにおいて、トライ&エラーを繰り返し、直接手を動かして学ぶことの価値を強調しているからです。

実際、ものづくりの現場では、紙上の理論だけでは対応できない様々な課題や障壁が立ちはだかります。それを乗り越え、実際の製品やサービスを生み出すには、繰り返しの実験や実践的な経験が必要です。高専生や工業高校生は、そうした実践的な経験を日常的に積み上げているため、新しい技術やツール、特にAIのような革命的な技術を取り入れる際にも、迅速にアイディアを形にすることができるのです。

最後に、この番組を通して感じたのは、未来のものづくりやビジネスのシーンは、学歴や背景よりも、挑戦する姿勢や実践的な経験を持つ若者たちによって形作られるであろうということ。私たちが目の当たりにする未来は、彼らの手によって築かれるものであり、それは非常に楽しみです。

これからも、高専生や工業高校生のような実践的な経験を持つ若者たちの挑戦を応援し、彼らの創造力や熱意を社会全体でサポートしていく必要があると感じます。

Dコン2023(全国高専ディープラーニングコンテスト)

2023年8月3日木曜日

花火の進化:音楽との完璧なハーモニー

こんにちは!夏のシーズン真っ只中、心がウキウキする季節ですね。最近、YouTubeでとても魅力的な花火の動画を見つけました。それは、ただの花火ではなく、音楽と花火が見事にミックスされた進化した花火のショーでした。

日本の花火は長い歴史を持っています。江戸時代から現在にかけて、花火は夏の風物詩として多くの人々を魅了してきました。その美しさ、一瞬の輝き、そして夜空を彩る姿は、時代を超えて私たちの心を捉え続けています。

YouTubeで見た動画は、従来の花火とは一味違っていました。花火の打ち上げるタイミングや色、形が音楽のリズムやメロディに合わせて変化していました。まるで、夜空が音楽の舞台となり、花火がその演奏家となったかのよう。

このようなコラボレーションは、花火だけでなく音楽の魅力も最大限に引き出してくれます。観客はただ花火を楽しむだけでなく、音楽と花火が一体となったアートを体感することができます。

花火の進化は、私たち教育者にとっても大きなヒントとなります。生徒の興味や関心を引きつけるためには、新しい試みやアイディアを取り入れることが大切です。花火と音楽のコラボレーションは、そんな新しいアプローチの一つと言えるでしょう。

今後は、このような魅力的なコンテンツを取り入れながら、生徒の学びの中にも楽しさや驚きを加えていきたいと思っています。花火シーズンの到来を前に、私たちもアンテナを張り続け、生徒たちの興味や関心を引きつける方法を模索していきます。

最後に、今回のYouTubeの動画をリンクします。是非一度チェックしてみてください。夏の思い出作りに、新しい形の花火を楽しむのも良いかもしれませんね。

それでは、皆さん良い夏をお過ごしください!



2023年8月2日水曜日

21世紀の教員の役割:対話の力と生徒との関係性

 21世紀、私たちは数多くの情報を手の内に収める情報社会に生きています。しかし、この情報をいかに取捨選択するかのスキルの習得は学校では教えてくれません。この新しい時代の教育は、知識を詰め込むだけの場ではなく、生徒たちの思考力や創造力を伸ばす場としての役割を果たさなければなりません。そんな時代背景の中で、教員の役割も大きく変貌を遂げています。特に注目されるのは、教員と生徒との「対話」の重要性です。

対話は、情報や意見を一方的に伝えるだけでなく、双方向のコミュニケーションを取り入れるものです。生徒が自らの考えや感情、悩みをオープンにし、それに対して教員が適切なフィードバックやアドバイスを提供する。このような対話を通じて、生徒の個性や潜在能力を最大限に引き出し、その成長をサポートすることが、新しい時代の教員の役割となっています。

しかし、現代の教育現場は課題に直面しています。特に、生徒一人ひとりと十分な対話を持つ時間の確保が困難であることが、大きな問題として挙げられます。教員不足による職務の増大、増え続けるカリキュラム、さらには保護者とのコミュニケーションなど、教員の業務は年々複雑化しています。

これからの教員に必要とされるスキルは、ファシリテーションスキルやコーチングスキルの習得だと感じます。教室内でのディスカッションやグループ活動を効果的に進行させるファシリテーションスキル。生徒の心の中を探るコーチングのテクニック。これらのスキルを駆使することで、大人数の中でも生徒一人ひとりとの深い関係性を築くことが可能となります。案外、教育現場の課題とこれらのスキルは関係のないものと思われがちですが、私は非常に重要だと感じています。生徒との対話を深めることは、学級の課題や問題解決にも寄与します。例えば、いじめの予防や解消においても、生徒同士、そして教員と生徒の間に信頼関係が築かれていることが極めて重要です。この信頼関係は、日々の対話の中で培われるもの。生徒たちが自らの考えや感情をオープンにすることができる環境を作り出すことが、安心・安全な学校作りの第一歩となるのです。さらに、保護者とのコミュニケーションにおいても、対話のスキルは必要不可欠です。現代の保護者は、子供の教育に非常に関心を持っており、教育方針や学校生活についての詳細な情報を求めることが増えています。このような要望に応えるためにも、教員が保護者との対話の場を大切にし、共に子供の成長をサポートする方向性を模索することが求められています。

21世紀の教育現場において、教員が果たすべき役割は、情報を伝えるだけでなく、生徒との対話を通じた深い関係性の構築です。そして、そのためには、新しい時代に適したスキルや知識の習得、そして柔軟な教育のアプローチが不可欠となっています。この新しい役割に立ち向かう教員たちの挑戦は、今後の教育の質を向上させる鍵となることは間違いないと思います。





2023年8月1日火曜日

青森県の教育改革、オンラインの活用、そして議論の真価

 先日、青森県が「青森県教育改革有識者会議」という知事直轄の諮問機関を立ち上げたというニュースがありました。この取り組みは、新しい教育の風を青森県にもたらすことを期待させるもので、私もこの動きを密に注視しています。

特筆すべき点として、会議の運営にオンラインツールを活用する方針が打ち出されています。オンラインの活用は、場所や時間の制約を軽減し、多様な声を効率よく取り入れる上で非常に有効です。私たちの工業高校でも、ビジネスチャットツールの導入により、教職員や生徒間のコミュニケーションが飛躍的に向上しています。

しかし、オンラインの導入だけでは十分ではありません。大切なのは、「議論」の質そのものです。議論は、本来、何かを前に進めるための手段として行われるもの。新しいアイディアを生み出すため、または問題点を明確にし解決策を見つけるための重要なプロセスです。しかし、現実には、方向性が定まらないまま繰り返される議論や、結果を出さずに終わる議論が少なくありません。これは、教育の場でも、ビジネスの場でも同様です。議論が目的化され、本来の目的から逸れてしまうことは避けるべきです。

青森県の教育改革が成功するためには、オンラインの活用だけでなく、実際の議論の内容が具体的かつ建設的であることが求められます。真の改革を実現するための議論は、前を向き、明確な方向性を持ち、実行可能なアクションへと結びつくものでなければなりません。

これからも「未来を担う子どもたちに時代にふさわしい教育を提供」することができるよう日々活動していきたいと思います。

ありがとうございました。

 皆様に重要なお知らせがあります。これまで私が務めてきた本校電気科主任として、教育や最新の工業技術トレンドに関する情報を発信してきたこのブログですが、人事異動に伴い、私は多度津高校への異動となりました。それに伴い、このブログの更新を終了することとなります。 サイトの運営は次の科...