2024年2月29日木曜日

漫画で人生が変わったという人の話





今日のブログは志向を少し変えて、タイトルのとおり、漫画で人生が変わったという人の話をします。

 その人とは、保手濱さん。漫画が持つポテンシャルには、ただの娯楽を超えた価値があることを彼の言葉から強く感じ取れます。漫画を通じて、絶望的な状況から抜け出すきっかけを見つけたり、ビジネスや人生で直面する課題に対する解決策を見いだすことができるというのは、非常に面白いと思います。自分自身がキャラクターの立場になって考えることで、現実世界の問題解決に役立てるという点が、創造力と共感力を育む素晴らしい方法と言えます。

 保手濱さんが提案する、若手社員から経営者に至るまでの各段階で推奨される漫画は、それぞれの立場で直面するであろう課題や心境を理解し、成長するための指針を提供してくれます。例えば、若手社員には仕事への「構え」を学べる漫画を、管理職には「人間理解」を深める漫画を、経営者には自身の「哲学」を深める漫画を推奨している点は、読者が自分の立場に応じた教訓を見つけられるようにという配慮が感じられます。学校でも企業と同じような対応が必要なのは言うまでもありません。

 また、漫画から自身の哲学を深めるためのアプローチ、特に印象に残ったセリフやシーンから自分なりの価値観を見いだす方法は、自己理解と自己成長につながる重要なプロセスを示しています。保手濱さんが個人的に影響を受けた『北斗の拳』や『SLAM DUNK』のセリフを例に挙げることで、漫画がいかに人生の多くの局面で支えとなり得るかを具体的に示しています。

 このように、漫画を「武器」として活用する考え方は、教育やビジネスの現場での応用の可能性を秘めていると思います。漫画を読むことが単に趣味の範疇に留まらず、人生や仕事においてもポジティブな影響を与えうるという保手濱さんの体験談は、多くの人にとって新たな視点を提供するものです。

 私の娘も漫画大好きですが、きっとそれらから気づきや感性を養えていると信じています。


やめる新入社員

 電気科主任の私が気になるトピックを元にきままに書きます。

 今日は、若手社員が就職後3年以内に仕事を辞めることが多いという問題と、その背景にある「意見が言いにくい」「職場の風通しが悪い」といった組織風土の問題について取り上げます。

 現代の職場環境において、これからの未来を支える若手社員に成長と活躍の場を提供することの重要性は誰もが認識しているはずです。しかし、実際には多くの若手社員が職場の組織風土に悩み、やむを得ず退職を選択しています。これは企業にとっても大きな損失であり、人手不足が深刻な現代においては特に重大な問題と言えるでしょう。

 特に注意すべきは、「学習性無力感」という心理状態です。これは、若手社員が自らの意見やアイデアを提案しても、それが否定されたり、十分に評価されなかったりすることで、「自分の意見は価値がない」と感じるようになり、結果として意見を言わなくなってしまう状態を指します。このような環境では、若手社員のやる気を削ぎ、結局は有能な人材が離れていくことになります。

 では、若手社員が活躍しやすい環境をどのようにして作ればよいのでしょうか?ここで紹介したいのは、ある女性行動経済学コンサルタントが提案する「若手が活躍しやすい環境の作り方」です。彼女は、
・1対1でのコミュニケーションの重要性
・発言を褒めること
・若手の意見を積極的に取り入れること
の3つの方法を提案しています。これらの方法を実践することで、若手社員が意見を言いやすく、また、それが評価される環境を作ることができるとのこと。

 さらに、若手ビジネスパーソン自身に向けたアドバイスもあります。それは、「アイデアを出すこと自体に意味がある」ということを常に意識することです。「No idea is a bad idea(アイデアに悪いものはない)」という考え方を持ち、多様な視点からアイデアを出すことが、チーム全体の成果を高めることにつながります。

 このように、若手が活躍しやすい環境を作るためには、組織全体での意識改革が必要です。一人ひとりが互いの意見を尊重し、新しいアイデアを受け入れる文化を育てることが、企業の持続的な成長に欠かせない要素となるでしょう。

 学校現場においてもしかり、であると私は強く感じます。

乱文をお読みいただきありがとうございました。今後も、持続的に書いていきますので、ぜひお時間があればお読みください。



2024年2月28日水曜日

意味記憶と無意味記憶

 

 電気科主任が思うがままに書くブログです。

 本校電気科では、入学後すぐに国家資格である「第2種電気工事士」の取得を目指し学習します。

 受験勉強と資格試験の準備における無意味記憶と意味記憶の活用は、効率的な学習と深い理解を達成するための鍵となります。受験勉強では、短期間で大量の情報を記憶する必要がありますが、ここで無意味記憶と意味記憶の区別が重要になってきます。

 無意味記憶は、情報の形や音韻をそのまま記憶する方法であり、特定の公式や用語、日付などを迅速に覚える際に特に有効です。これは、試験中に素早く情報を取り出す必要がある場合に役立ちます。例えば、数学の公式、英単語のスペルリングや電気工事士に使われる部品名のように、特定の形式を正確に覚えておく必要がある場合には、無意味記憶が非常に効果的です。

 一方、意味記憶は情報の背後にある意味や概念を理解して記憶する方法です。歴史の重大な出来事、科学の原理など、深い理解を必要とする情報を学ぶ際には、意味記憶が中心となります。この方法では、単に事実を覚えるのではなく、それらがどのように関連しているのか、なぜその事実が重要なのかを理解することが重要です。この深い理解は、試験での応用問題や論述問題に対応する際に非常に役立ちます。

 資格試験では、専門的な知識や技能が問われるため、無意味記憶と意味記憶のバランスがさらに重要です。専門用語や手順を迅速に記憶するためには無意味記憶が有効ですが、実際の業務や現象に適用するためには、その知識の背景や原理を深く理解することが必要となります。したがって、意味記憶の強化が不可欠です。

 本校では、県内でも先進的に導入された個人所有のタブレット端末を活用することによる効果的な学習方法を取り入れています。このようなアプローチにより、情報をより迅速に記憶し、深く理解することが可能となり、受験勉強や資格試験での成功に繋がります。



2024年2月27日火曜日

歩くこと

 電気科主任の私が気になるトピックを元にきままに書きます。

 

 突然ですが、みなさん、歩いていますか?

 歩くことの素晴らしさを掘り下げてみます。

 人が歩く理由は多様です。足があるから歩く、目的地があるから歩く、健康のために歩く、考え事が整理されるから歩く。これらはすべて、歩く行為が私たちにとって自然であることを示しています。しかし、もし歩くことが苦痛であれば、これらの理由があっても歩かない方法を探し始めるかもしれません。それでも、私たちの周りには楽しそうに歩いている人がたくさんいます。これは「楽しいから歩く」のかもしれません。歩くことは、新しい風景に出会い、多くの人とすれ違い、遠くの山が近づいてくるのを感じたりすることができます。これらの体験は、生きている実感を与えてくれるのかもしれません。

 現代では、多くの人が1日7000歩程度しか歩いていませんが、歩くことは多くのメリットを提供します。健康を維持し、リラックスし、心を明るくすることができます。江戸時代の庶民は1日3万歩を歩いており、それに比べると現代人である我々の歩行量は非常に少ないです。1日1万歩を目標にすることで、肥満や生活習慣病を防ぎ、健康的な生活を送ることができます。

 歩くことには技術も必要です。無理なく楽しく歩くためには、適切な歩き方を学び、準備運動をすることが大切です。歩くことによる健康効果を最大限に引き出すためには、適度なペースでの継続が重要。また、歩くことは食生活とも密接に関連しているといわれます。よく食べ、よく歩くことで、健康的な生活を実現できます。散歩をしながら食材を買い出しに行くのも、日常生活に楽しみを加える一つの方法です。


 歩くことの魅力は、単に身体的な健康だけでなく、精神的な健康、趣味としての楽しみ、さらには社会的な問題への関心を高めることにもあります。歩くことを通じて、私たちは自分自身と周囲の世界との新たなつながりを見つけることができるのです。毎日の生活において、歩くことを意識的に取り入れてみると、驚くほど多くのポジティブな変化を経験できるかもしれません。

2024年2月26日月曜日

生成AIがもたらすもの2


 電気科主任の私が気になるトピックを元にきままに書きます。

AIの進化がもたらす社会への影響については、日々新しい議論がなされています。OpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏のような「AI界のキング」とも称される人物の発言は、この分野における大きな動きを予感させます。アルトマン氏が提唱する「わずか10人で10億ドルの評価額を達成する企業」や「1人ユニコーン」の概念は、AI技術が個人や小さなチームのポテンシャルをいかに引き上げるかを示唆しています。

しかし、AI技術の急速な発展がもたらす「AI失業時代」への懸念もまた、無視できない現実です。特に金融やテック業界など、ホワイトカラー職の中にはAIによる自動化の影響を大きく受ける分野もあります。しかし、このような中でも電気科を卒業した人々が目指すような専門職は、AIの影響を比較的受けにくいとされています。

電気科の学生が学ぶ技術や知識は、AI技術の開発や運用に不可欠なものであり、このような専門性が高い分野では、人間の直接的な関与や専門的な判断が引き続き重要とされています。例えば、電気工学に関わる設計、開発、テスト、保守などの業務は、高度な技術的知識と経験を要するため、AIによる完全な自動化が難しい領域の一つです。

このため、電気科を卒業して働く人々は、AIの影響を受けにくい安定した職業を持つことができると考えられます。彼らはAI技術を支える重要な役割を担いながら、同時にAI技術の進展から得られる新たな機会を活かすことができるでしょう。

AI技術の進化は、確かに私たちの働き方や生活に大きな変化をもたらしますが、その中で電気科のような専門高校を卒業した人材は、技術の進展に伴いさらなる重要性を増していくと言えます。これからも電気科の学生や卒業生が、AI時代における新たなチャレンジと機会を見出し、社会に貢献していくことが期待されます。

2024年2月25日日曜日

生成AIがもたらすもの

 生成AIの活用が教育現場にもたらす変革について、私たち高等学校工業科の教員としても、深く関心を持っています。特に、文部科学省が主催した成果報告会において、パイロット校から報告された実践例は、我々の教育方法に新たな視点を提供してくれました。

これらの報告から、生成AIが教育活動や校務において、学びの質の向上や作業効率の改善に大きく貢献していることが明らかになりました。例えば、英語の対話練習で生成AIを活用することで、生徒は自分のペースで、自分のレベルに合わせて学習を進めることができ、学びに対するモチベーションの向上が報告されています。また、課題解決型の学びにおいても、生成AIとのディベート(壁打ち)を通じて、生徒たちの思考が深まり、自分で考える力が育まれていることが分かります。

しかし、生成AIの活用には、適切なプロンプトの設定や情報活用能力の向上が求められます。これらのスキルを身につけることで、生徒たちはより効果的に生成AIを活用し、自らの学びを深めることができるようになります。

生成AIの活用が進むにつれて、教員の役割も変化してきています。私たちは、単に知識を伝える「ティーチャー」から、生徒が自ら考え、学ぶことを促す「コーチャー」へと進化していく必要があります。この変化は、生徒たちが主体的に学ぶことを促し、思考力や情報活用能力を養う上で重要な役割を果たします。

最後に、生成AIの活用に関しては、生徒たちの思考力を低下させるのではなく、逆にそれをより重要なものとして認識させる効果があることが指摘されています。生徒たちは、AIを活用する過程で、自分たちの考えをより明確にし、深めることができるようになります。

教育の現場では常に進化し続ける必要があり、生成AIはその一助となることでしょう。



2024年2月21日水曜日

山口県における生成AIを活用した学習支援アプリの導入

私たちは日々、教育現場での変革を目の当たりにしています。特に、技術の進化は教育方法に新たな可能性をもたらしており、この流れの中で注目されているのが「生成AI」の活用です。今回は、山口県教育委員会が来年度より県内の一部中学校で導入を計画している学習支援アプリについてご紹介します。

このアプリの最大の特徴は、生成AIを用いて生徒に対話形式で学習のヒントやアドバイスを提供する点にあります。従来の学習方法と異なり、このアプリでは解答を直接教えるのではなく、公式や理解しやすい説明を通じて生徒自身が問題の解決策にたどり着くことをサポートします。

山口県教育委員会によると、自治体単位でのこのようなアプリの導入はまだ珍しく、来年度、県内の中学2年生と3年生を対象に7校での実証が計画されています。この実証事業を通じて、県内の全公立中学校への普及に向けた効果的な活用方法を検証する予定です。

この取り組みは、生徒が学校だけでなく家庭でも学習に取り組める環境を整えることを目指しています。生成AIによる対話を重ねることで、生徒はより深い理解と知識の定着を促されるでしょう。担当者は「生徒が主体的に学習に向かう態度を育成したい」と語っており、このアプリの導入が生徒の学び方にどのような影響を与えるか、非常に期待が寄せられています。

教育の現場は、知識を伝えるだけでなく、生徒が自ら学び、成長するための環境を提供することが求められています。山口県のこの取り組みは、そんな新しい教育の形を示唆しています。技術の進歩を取り入れながら、生徒一人ひとりが自分のペースで学べるようなサポート体制の構築は、今後の教育現場においてますます重要になってくるでしょう。

私たちは、このような技術の活用が生徒の学習意欲を高め、教育の質を向上させることに貢献すると信じています。山口県の事例から、他の地域でも同様の取り組みが広がり、教育現場全体に革新的な変化がもたらされることを期待してやみません。



ありがとうございました。

 皆様に重要なお知らせがあります。これまで私が務めてきた本校電気科主任として、教育や最新の工業技術トレンドに関する情報を発信してきたこのブログですが、人事異動に伴い、私は多度津高校への異動となりました。それに伴い、このブログの更新を終了することとなります。 サイトの運営は次の科...