2024年3月18日月曜日

生成AIパイロット校

 電気科主任として、私が気になるトピックを自由に書きます。

今回のブログでは、学校現場での生成AIの活用について、千葉県船橋市立飯山満中学校の事例を通じて考察します。この学校は、文部科学省から指定されたパイロット校の一つとして、2023年11月以降、授業や校務で積極的に生成AIを活用してきました。生徒たちが感じた可能性や課題、そしてこれから必要な力について、興味深い話を聞くことができました。

特に注目すべきは、生徒たちが「生成AIに細かい指示を出すことの重要性」を実感していることです。例えば、俳句を作る授業で、生成AIに指示を出して作成した俳句が、生徒たちに高く評価されたエピソードは、生成AIが人間の感情やリズムを理解できる可能性を示唆しています。また、授業での課題作成プロセスにおいて、生成AIとの「壁打ち」を通じて、生徒たちが自身の考えを深め、より良い提出物を作成できるようになったという事例もあります。

しかし、生徒たちは生成AIやICTの活用に際して、「完全に依存するのは良くない」という認識も持っています。生成AIなしで文章を書くことに苦労した経験や、ICTに頼りすぎて漢字が書けなくなったと感じた瞬間など、デジタルツールの適切な使い方についての学びが見られます。

新学習指導要領の全面実施やGIGAスクール構想の下で進められた個別最適な学びや協働的な学びへの転換は、生徒たちが自身の学習スタイルに合わせて学び、成長することを可能にしています。これは、高校入試への準備だけでなく、生徒一人ひとりの能力を最大限に引き出す教育のあり方を模索する上で大きなヒントを与えます。

生徒たちが今後必要だと感じている「さまざまなことを見極める力」「正確に言葉にできる力」「コミュニケーション能力」は、技術が進歩する社会において、非常に重要なスキルです。これらは、情報を批判的に考え、自分の意見を適切に表現し、他者と協力して問題を解決する能力を含んでいます。これらのスキルは、生成AIやICTを活用する上での基盤となり、より良い学びと成長につながります。

教育現場では、技術の進化を取り入れつつも、それに頼り切るのではなく、人間としての基本的なスキルや能力を育むことの重要性を再認識する必要があります。生成AIやICTの進歩は、教育の可能性を広げる一方で、それらをどう活用するか、教育者や生徒自身にとって新たな課題を提起しています。

文章をお読みいただきありがとうございました。今後も、継続的に書いていきますので、ぜひお時間があればお読みください。



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